ホンダS660とアルトターボRSはどう違う? 清水和夫が解説
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:篠原 晃一
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日本では軽自動車(軽カー)が売れている。輸入車組は軽カーが自由貿易を阻害すると批判するが、軽カーは安くて燃費が良いから売れるというのは間違った認識だ。「ホンダ N-BOX」の4WDターボは「VW up!」よりも高いし、燃費だって小型車のほうが高効率だ。ではなぜ軽カーが元気なのだろうか? まずは最近の軽カー事情を分析してみよう。
軽カーはボディサイズやエンジンの排気量に規格があるので、どの軽カーも同じようになりやすい。だから、上手に商売するためには差別化が必要だ。昨年登場した「スズキ ハスラー」や、「ダイハツ コペン」と「ウェイク」はまさに個性化の証だ。規制の隙間を縫ってライバルとは異なる価値を提案する、まさに京都の民芸品と同じだ。人と同じものは乗りたくない、そんな個性が若い人に支持されているとも言える。
軽カーに命をかけるスズキとダイハツに加えて、ホンダも軽カーには熱心だ。この3つの軽メーカーは本気で世界と戦うことを考えている。その急先鋒がスズキだろう。インドで市販されるマルチ・スズキは軽カー技術を基盤にしている。インドネシアで存在感を発揮するダイハツは、軽カーで利益を出せない自動車メーカーは新興国で戦えないと本気で考えている。ホンダの伊東孝紳社長も同じ考えを持っていたから、軽カーの生産を系列の八千代工業から本丸の鈴鹿製作所に戻したくらいだ。
こうして軽メーカー同士が本気で“いいクルマづくり”を始めた結果、昨年から今年にかけて、走りに磨きをかけたホットな軽カーが続々と登場している。200万円でも愉しいクルマを提供する最新の軽カーから目が離せなくなってきたのだ。
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