スバル STIが手掛けた2モデル、WRX S4 tSとXV ハイブリッド tSに試乗
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:中野 英幸
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運動性能は文句なしにステキである。いかにもレーシーな全身は硬質な剛性感で、低く這うようにムダな動きをいっさい感じさせない。しかし、直進性はバツグンに高く、轍(わだち)や路面不整に進路を乱される度合いが異例に低い。つまり、硬質なのに、まるで跳ねない。そして機敏なのに、まったくチョロつかない。これは微小域もスムーズに動くサスペンションに加えて、固めたい方向にはがっちりと締めるいっぽうで、いなしたい方向の入力には柔軟なフレキシブル系剛性部品群の効能も大きいのだろう。
ブレーキの効きとタッチも素晴らしいが、それよりも印象的なのは絶妙に身を沈めるように荷重移動するブレーキング姿勢には感心するほかない。VDCも専用チューンだそうで、コーナリング時にイン側をつまむブレーキ制御はより積極的になっているようだ。そういわれると、なるほどステアリングの指令にびたっとハマッたオンザレール感は強い。
S207より快適性重視……との弁から、多少はひよった乗り味を想像したのだが、少なくとも直接比較しなければ、このS4 tSはまさに理想のカフェレーサー味である。無反応領域をまったく感じさせない硬質な走りながらも、河口湖付近の荒れたルートでも神経質さはまるでない。吸音タイヤなどによる静粛対策効果も明確で、目地段差を乗り越えたときの“ポコン”というノイズと衝撃は、このレベルの高性能車としては印象的に小さい。
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