ポルシェ「911」の変革は水冷化のみに在らず。「964」はフルタイム4WDで武装した革命的モデルだった

ポルシェ911 992.2

やはり「最新は最良」である

先日、最新の「992.2」型911カレラをドライブした。素晴らしかった。ボディは一段と強靭になり、クルマとの一体感が向上。通常は最良のGTとして振る舞い、右足に力を込めると即座にリアルスポーツに変身した。911の世界がさらに濃密に感じられた。やはり「最新は最良」と感心した。

964には、992.2型のような洗練の味わいはない。すべてが骨太でソリッド。ドライビングには相応の気構えを要求する。操縦は楽しいが、刺激が強いこともあって、身体的な疲労も伴う。この疲労感は心地よい達成感ともいえるが、疲れることは確か。964は現在に続くモダン911の原点である。

だがデビューして30年以上が経過している。今やクラシックモデルとして敬意を払うべき存在である。気軽にポルシェの味わいを楽しむなら、初代や2代目のボクスターという選択もある。風を感じながらフラットシックスの鼓動を感じるのは格別。しかも中古車価格は911と比較すると大幅にリーズナブルだ。

筆者はかつてナロー時代の911に親しんだ。ボクスターに乗って、その懐かしい味わいが甦り、数年間をボクスターとともに過ごした。

（終わり）