スープラはバランスの良いクルマだがその名相応の個性が欲しい
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:篠原 晃一 1
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最初はついつい興奮して「おおー!スープラだー!」とクルマのまわりをぐるぐる回っていたが、ふと我に返ってその姿をもう一度眺めてみた。新型スープラが好きな方や購入した方には大変申し訳ないが、冷静に見るとスープラのデザインは要素が多く、ごちゃごちゃしていて個人的には好きではない。たとえば、このクルマがトヨタとスープラのバッジを付けずに「まったく新しいメーカーのスポーツカーです!」と登場してきたら、みんなどう思うのだろう? 目を眩ませていた色眼鏡を外してみると、なんだかモヤモヤが募っていく。
試乗車は3.0L直列6気筒ターボ(340ps/500Nm)を搭載する「RZ」。このエンジンは文句なしに気持ちがいい。アクセルをグイッと開けてあり余るパワーを解放すると、ジェットエンジンが背中に付いたように弾けるような加速をする。アクセルをゆるめると今度は「バラバラバラッ」とアフターファイヤー音がするのには笑ってしまった。FRなのにまるでミッドシップのように、コーナリングでくるくると向きが変わるので、ワインディングを駆け抜けるのも楽しい。
スープラに乗って走り出すと、まず感じたのは“良いクルマ感”だ。欧州のプレミアムカーによくある、剛性の高いボディに包まれていて、クルマがしっとりと動く感覚。スポーツカーとして走りを楽しむこともできるが、普段乗りで街中や高速を走るときにも乗り心地も良く、車内も静かだからグランドツーリングにも向いていると思った。
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