スープラはバランスの良いクルマだがその名相応の個性が欲しい
掲載 更新 carview! 文:伊藤 梓/写真:篠原 晃一 1
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「スープラの新型が出る!」そう聞いて、スープラの歴史を知らない私でも、不思議と心が踊った。私がクルマ好きになった頃には、トヨタのスポーツカーと言えばもう86しかなかったし、正直に言うとトヨタに対してスポーツカーのイメージは薄い。それなのにどうしてなのだろう。
「今の若い人は良い時代のクルマを知らなくてかわいそうだ」
これは自動車業界で働くようになって、何度も言われた台詞だ。そして、その良い時代のクルマのひとつとして、スープラの名前を聞くこともあった。私の中で「きっとすごいクルマなんだろうな」と想像だけがどんどん膨らんでいく。そして、今まさに自分がそのスープラにリアルタイムで乗れる時が来たのだ。
私のようなスープラを知らない世代の“期待”や、昔からのクルマ好きにとっての“懐古”は、スープラにとって過剰な追い風になったり、あるいは重荷になったり、クルマ自体がまっすぐに評価されることは少ないような気がする。「スープラ」というだけでたくさんの人が色めき立つ。その求心力はすごいと思うが、一旦その思い込みや偏見をのぞいて、まずはありのままのスープラを見てみたくなった。
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