新型クライスラー300、品質&価格競争力↑↑
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:小林 俊樹
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日本で発売された300には、300リミテッドと300Cラグジュアリーの2仕様がある。後者が豪華装備で、リミテッドではファブリックのシートがナッパレザー張りになるなどの違いがあり、エクステリア関連では、タイヤが前者の18インチに対して20インチになる。プライスは前者が398万円、後者が538万円で、140万円という明確な違いがある。
そのなかで試乗したのはラグジュアリーの方だった。まずドライビング感覚について触れると、そのボディサイズと骨っぽいスタイリングからイメージするような、いわゆる“アメ車”感はむしろ希薄で、286psと34.7kg-mを生み出す3.6リッターV6とZF製8段ATによるパワートレーンは、1880kgの車重を気持ちいいペースで、しかもスムーズに加速させる。V8がドバドバドバッと存在感を主張するような乗り味は、期待しない方がいい。
もちろん乗り心地も決してフンワリとソフトではない。というか、今やそういうアメ車は存在しないが、300も適度に締まったライドに終始する。ホイールベースが長いこともあって、乗り心地はフラット感もある快適なものだが、それでもヨーロッパのサルーンと微妙に異なるのは、ボディ剛性の出し方の違いによるものだろうか。なかでも20インチタイヤを履くラグジュアリーは、突起越えなどの際に決して強くはないが明確な突き上げ感をともなう。その点は18インチのリミテッドの方がおそらくベターだろうと思われる。
今回の試乗ルートにはコーナリングを論じられるような舞台はなかったが、脚と同様にステアリングの感触も適度に締まったものだから、ファン・トゥ・ドライブかどうかは別にして、ワインディングも決して不得手としていないであろうことは容易に想像できた。
つまりクライスラー300、押し出しの効くサイズとスタイルを持ったセダンを求める御仁には、けっこうハマるクルマではないかと思う。なかでも特に400万円を切るリミテッドは、アメリカ車ならではの価格競争力もライバルに対する武器になるはずである。
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