新型ヴェゼルは完成度でハイブリッド有利だが課題は静粛性。ヤリスクロスやキックスと比べると?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 173
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 173
新型は全車1.5L直4エンジンを搭載。そのエンジンで駆動するガソリンモデルと、そのエンジンを主に発電に用い、モーターで駆動するハイブリッドモデルがある。まずガソリンモデルから試乗。ハイブリッドに装備の異なる3グレードが設定されるのに対し、ガソリンは1グレードしか設定されず、FWDか4WDかを選べるのみ。
思ったほど力強く加速していかないなというのが第一印象だ。初代のほうが元気がよかったように思う。試乗したのが4WDモデルで、車両重量が1330kgとFWDより80kg重く、さらに初代の4WDより60kg重いこともその一因だろう。データを見比べると、初代のほうがエンジンのスペックもやや高かった(あくまでピーク値だが)。
次に乗ったe:HEV(ハイブリッド)のFWDでは、ガソリンモデルで感じた物足りなさは打ち消された。初代のハイブリッドとは仕組みが異なる。新型が採用するのはホンダが上位モデルにも用いる2モーターのタイプであり、発揮する出力もトルクも段違いに大きい。パワーと車重の関係は「日産 キックス」に近く、体感上の力強さも似ている。ただし、「トヨタ ヤリスクロス」はヴェゼルやキックスに比べ車重が200kg近く軽いので、明らかに活発で、燃費も飛び抜けてよい。
ドライブモードスイッチはエコ(ECON)、ノーマル、スポーツとあるが、スポーツにしてもさほどスポーティーになるわけではなく、これならノーマル一択でOK。ステアリングパドルは減速度をコントロールするためにあり、左を引くと強まり、右を引くと弱まる。4段階で調整が可能だ。ATセレクターでBレンジを選べば、最も強い減速度を得られるモードで固定される。慣れるとアクセルペダルとブレーキペダルの踏み換え頻度を減らすことができて便利だった。
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