次世代ロータリーの息吹 マツダRX-8が大幅改良!
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:齋藤 正
これらの変更はタイプRS以外のモデルにも走りの好印象をもたらす。例えば同じ235psのタイプS、215psのタイプEも含め、MTでは以前より確実にエンストしないだけの発進時の扱いやすさがある。また18インチを履くタイプS、17インチのタイプEともに乗り心地とハンドリングのバランスは高くなった。とくにタイプEの6速AT車などは、あまたあるスポーツセダンを凌ぐ優れた乗り心地とスポーツ性の高いハンドリングが実現されており、ある意味アテンザを凌駕するセダン的な良さも備えているほどである。
しかし今回もっとも光るのは、やはりタイプRS。CD値を0.31から0.30へと向上したエアロ、19インチサイズのタイヤ&アルミ、ビルシュタイン社製ダンパー、レカロ社との共同開発バケットシートなど様々な専用パーツが与えられる上、フロントサスクロスメンバー内に発泡ウレタンを充填し、リニアな操舵感と減衰の効いた乗り心地にも寄与させた。
タイプRSで驚きは19インチを履くにも関わらず、まず街中での乗り心地に優れること。マツダは以前にもアテンザでいち早く18インチを採用して優れた乗り心地を実現した経緯があるが、今回の19インチで改めてマツダは大径タイヤ使いが上手いメーカーだと思えた。もちろんタイプRS専用のビルシュタインは乗り心地の良さだけでなく、優れたボディコントロールを実現する。単にノーマルよりもスポーツ性を高めるだけではなく、ある領域ではノーマル以上にしっかりボディを動かすことで路面をとらえる感覚が生まれる。
また横滑り防止装置DSCもスポーツドライビングを邪魔しない絶妙な設定で、オンのままコーナーを攻めるとわずかにリアのスライドを許す制御の介入を行う。ただ今時のトレンドを考えれば、スポーツモードを備えた3段階のものに進化させてもいいだろう。しかし何より重要なのは、今回変更された走りにおける大切な部分がすべて融合して豊かなハーモニーを奏でることだろう。いくら各部が優れていても全体でのマッチングが悪ければ心底いいとは思えない。そう考えると今回のRX-8は大幅な変更とともに、実に見事な調律がなされた結果、ともいえるのだ。
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