新型R8スパイダーに海外試乗。極めてハードルが低いスーパーカー
掲載 更新 carview! 文:竹花 寿実/写真:Kimura Office
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パワートレインもシャシーも絶妙な調和を見せ、ストレートとハイスピード・コーナーが続くカタロニアのワインディング・ロードでは、スーパーカーと呼ぶに相応しい、抜群にダイナミックな走りが楽しめた。ボタンひとつでスポーツ・モードになり、V10エンジン特有の響きを持つエグゾースト・サウンドも迫力満点。オープン状態でキャビンに入り込む走行風も心地良く、オープンのスーパーカーとして、全方位で隙の無いクルマに仕上がっている事は間違いない。
翻って、走りやデザインに関してエモーショナルな部分がやや薄く感じられるのも事実である。工業製品として抜群の完成度を誇る一方で、あまりに優等生的でスリルやドキドキ感のようなものが少ないため、若干だが直進性が低いことや、助手席の足下スペースの狭さ、旧式のクルーズ・コントロールしか用意されていないことなど、細かい事が気になってしまう。
ニューR8スパイダーは、先代モデルから車両重量が25kg軽くなり、ボディ剛性は55%向上、0-100km/h加速も0.2秒短縮された。また、スーパーカーとしてのあらゆる記号を備え、走りもスペックも文句ないレベルである事に疑念の余地はない。だがアウディ・スポーツには、“インテリジェント・スーパーカー”に、もうひと振りエモーションのスパイスを期待したい。そうなればもはや敵なしである。
なお、ドイツにおける価格は19%の付加価値税込みで17万9000ユーロ(約2030万円)となっている。日本には来春上陸する予定だ。
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