ボルボで北極圏を走破! 厳環境から生れた哲学
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗、九島 辰也/写真:ボルボ・カー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗、九島 辰也/写真:ボルボ・カー・ジャパン
九島:ボルボの最新モデルといえばXC70だけど、先代XC90オーナーであった五朗ちゃんとしてはどう感じた?
岡崎:XC90とXC70との差は最低地上高、室内高、3列目シートの有無=ラゲッジ容積の3つ。XC90は子供用のモトクロッサー積んでも荷物と家族を運んでくれるほど実用性が高かったんです。あんなにパッケージングのいいSUVは他にはない。一方、XC70は3列目シートはないけれどちょっとしたキャンプ装備程度なら十分だと思います。最新の3.2リッターエンジン+AWDの組み合わせでラインナップを縦軸で見ると、それぞれの最低地上高はV70が145mm、XC70が190mm、XC90が220mmとなるから、どれを選ぶかは好みと使い方次第ですね。乗ればどれもボルボです。
九島:昨年行われた国内試乗会(青森県弘前市から竜飛岬を巡るルート)でも感じたことだけど、新型はとても乗りやすい。
岡崎:先代のXC70は氷上で乗ると何をしてもアンダーステアを意識させられたけれど、新型はプレチャージ式電子制御AWDのセッティングなのか、うまくトルクを配分してリアを出してくれるのでとても扱いやすくなりました。
九島:極寒の環境下でコースアウトはキケンだからね。DSTC(ダイナミック・スタビリティ・トラクション・コントロール)などの電子デバイスの統括的な制御が上手くなったのかも。3世代目は乗り心地もいいし静粛性も上がって高級車になったね。エンジンを6気筒にしたかいがあった。
岡崎:シートサイズも大きくてインテリアも包まれ感があるし、いい具合のユルさというか、守られている気持ちになる。ドイツ車のようにまだいけるぞーって感じじゃないから、日本の低い速度域でもストレスをあまり感じないのもいいですね。東京から京都や大阪まで行くようなロングドライブ時の疲れにくさはピカイチだと思います。
九島:変にクイック過ぎず、でも、スポーティに走れる。ひと昔前のメルセデスに共通するものがあるけれど、室内のリラックスできる空気感はボルボ固有のものだね。
岡崎:あとは価格のモンダイかな。今はワングレード展開だけど、500万円以下のグレードを追加したV70みたいに、さらに安い価格のグレードが追加されると購入を検討するユーザーも増えると思います。
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