国産メーカーが握手をしながらガチバトル!? 知っておきたい富士24hレースの面白さ
掲載 carview! 文:伊藤 梓 33
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世界では、「ル・マン」や「ニュル」など、著名な24時間耐久レースが行われていることをご存知の方は多いだろう。しかし日本でも、世界に誇れる24時間耐久レースが行われていることはご存知だろうか。
それが、毎年富士スピードウェイで行われる「富士24時間耐久レース」だ。

富士24時間耐久レースの見どころは、まずは様々なマシンがレースをしているのが見られるところだろう。FIAが公認しているGT3やGT4車両などのいわゆる“スーパーカー”から、私たちが普段身近に親しんでいるコンパクトカーまで、幅広いクラス分けがされており、自分の興味に合わせて好きなクラスを応援することができる。
そんな富士24時間耐久レースの中でも特に盛り上がっているのが、「ST-Qクラス」だ。ST-Qクラスは、ほかのどのクラスにも該当しないモデルが参戦するクラスで、近年はこれからの技術を育てたり、社内の人材育成をするため、国内メーカーが多数参戦している。
ル・マンなどの耐久レースも、元々はメーカーが新技術を搭載したモデルを24時間走らせ、その耐久性を確かめたり、改善点を見つけてより良いクルマを作るという目的で始まったレースだった。富士24時間レースのST-Qクラスも、その役割を担う側面が大きくなってきたと言えるだろう。

現在、特に盛んに行われているのは、カーボンニュートラルを目指す未来へ向けての取り組みで、現時点でトヨタは「カローラ」や「GR86」、スバルは「BRZ」、マツダは「MAZDA3」、日産は「フェアレディZ」、ホンダは「シビックタイプR」などで参戦している。
各メーカーが走らせるマシンには、ガソリンの代わりにカーボンニュートラル燃料やバイオディーゼル燃料が使用され、トヨタに至っては、今年から液体水素(※従来は気体水素)を使用する“水素エンジン”を世界で初めてレースに導入するなど、本当にこれまで無かった技術をスーパー耐久の現場で鍛えているのだ。
また、単純にメーカー同士がしのぎを削るだけではなく、それぞれのメーカーが協力し、積極的にコミュニケーションを図り、市販車へのフィードバックや若手の育成などを行なう「ワイガヤクラブ」の活動もどんどん活発になってきているところにも注目だ。
「色々なレーシングカーが走っていてカッコイイ!」という見方ももちろん楽しいが、メーカーが新技術を搭載して24時間戦う姿を見て、これからのスポーツカーやクルマの未来を夢見るのもスーパー耐久ならではの楽しみだろう。
今年の富士24時間耐久レースでは、ST-Qクラスは見事全車完走。今回のレースから、トヨタが液体水素を燃料とする水素エンジンを搭載したカローラを導入したほか、ホンダがST-Qクラスに初参戦し、カーボンニュートラル燃料の新型シビックタイプRを導入したことで、さらなる盛り上がりを見せた。
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そして、富士24時間レースの醍醐味はレースだけにあらず!
来場者はコース上でのバトルを楽しむだけではなく、コース外で開催されているイベントやキャンプを楽しむ人が年々増えてきている。サーキット内にはキャンプができる場所が点在しており、参加者は朝早くから来てテントを立て、ご飯の時間になればその場でBBQを楽しむ。レース自体はもちろん24時間続くから、コース脇のテント村にも24時間爆音が響き続けるのだが、参加者はその雰囲気も含めて特別な体験を楽しんでいる。
また、キャンプ道具の貸し出しを含めたパッケージプランも用意されているので、キャンプ初心者でも安心だ。富士24時間耐久レースは、自ら積極的に参加することで、自分自身も「24時間走り切った!」という達成感とサーキットの一体感をさらに感じることができる。
このようにコース脇でチームやドライバーの頑張りを24時間肌で感じられるのは、日本ではこの富士24時間耐久レースだけ。キャンプエリアはどんどん人気になってきているが、ぜひ一度この特別な体験を味わってみてほしい。
また、イベント広場では、特別な車両展示やドライバーのトークショーがあったり、ご当地グルメなどもたくさん用意されている。さらに、気球への搭乗体験や、ヘリでサーキットの周りを見渡せるアトラクションが用意されているほか、夜には花火が打ち上げられたり、大きいスクリーンで映画が上映されたりと、24時間たっぷり遊び尽くせるイベントもたくさんあるのだ。
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普段はサーキットに足を運ばないような人たちにとっても、たくさんの楽しめるイベントがあるところが、富士24時間レースの魅力でもある。
レースは、現地に行って直接マシンを見て、音や匂いなど五感で感じることで、より楽しく、ワクワクするものだ。その中でも、富士24時間耐久レースはそれをもっとも感じられるレースだと思う。
そして、レース以外の楽しみもたくさんあるので、友人や家族とさらに思い出を深めることもできる。まだ行ったことのない人も、少しでも「行ってみたいな」と思ったら、ぜひ現地観戦をおすすめする。そして、積極的にイベントなどにも参加して、自らの体験をより深めてみて欲しい。
さらに、スーパー耐久ではオフィシャルYouTubeチャンネルで24時間レースの模様を無料配信中! 今年は見逃したけど来年まで待ちきれない! というユーザーは、ひとまず動画でその雰囲気を味わってみてはどうだろうか。
写真:トヨタ自動車、日産自動車、スバル、マツダ、本田技研工業
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