新型リーフのe-Pedalは氷上でその実力をフルに発揮した
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一
さらに新型に備わったe-Pedalという仕組みが、低ミュー路でのコントロールをさらに容易にしてくれることがわかった。e-Pedalはアクセルペダルを戻した際にエンジンで駆動するクルマに備わるエンジンブレーキ以上の減速力(回生ブレーキ)を得られるEVの特性を際立たせるシステムだ。アクセルオフ時、回生ブレーキに加えて必要なら(ドライバーがブレーキペダルを踏まなくても)自動的に0.2G程度の減速Gを発するブレーキをかける。これにより、アクセルオフだけで車両を減速させたり、停止させたりできる。アクセルを踏めば加速、戻せば減速、いわゆるワンペダルドライビングというやつだ。
ほとんどの人が慣れるまでは意図するよりもずいぶん手前で停止してしまう。e-Pedalのアクセルオフでの減速Gがエンジンブレーキしか知らない我々の感覚よりも強いということだ。だが15分も運転していればその感覚に慣れ、望んだ位置で停止できるようになる。ワンペダルドライビングが身につくと、楽チンなのに加え、新鮮で楽しい。停止だけではなく、進入、旋回、脱出というコーナリング時の一連の操作もスムーズにいくようになり、やはり楽しい。ブレーキペダルを使う機会が激減する。機能をオフにもできるが、ひと度慣れてしまえばオフにしたい機会はやってこない。
そしてこのe-Pedalが低ミュー路でも大活躍する。やや複雑なので私は最大限丁寧に書くから貴方はCPUフル回転で脳内に状況を思い浮かべながら読んでいただきたい。氷上を走行中にややアクセルを踏みすぎたと感じて反射的にアクセルを戻すことがだれにでもあるはずだ。この時、エンジン駆動車はエンジンブレーキがかかるが、エンジンブレーキは駆動輪にしかかからないからアンチスピンデバイスは作動せず、ヨーが残っていると車両がバランスを崩すことがある。制動力自体も弱い。
この点、e-Pedalはドライバーがアクセルを戻すと、まずエンジンブレーキ同様に駆動輪に回生ブレーキがかかるが、それだけで不十分と判断すると即座にエンジン駆動車でブレーキペダルを踏むのと同じように4輪で制動するのだ。これだとアンチスピンデバイスが作動し、4輪それぞれに最適な制動がかかる。つまりアクセルをオフするだけで、毎回(ブレーキペダルを踏んで)最もうまくブレーキングしたのと同じ効果を得られるのだ。
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