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新型SL海外試乗!新技術オンパレード

女の子の名前がメルセデス・ブランドの由来

約110年前にフランスのニースで生まれた「メルセデス」ブランドは、最初はメルセデスディーラーの社長が、自分が乗るダイムラー社製のレーシングカーにつけた娘の名前だ。当時、ダイムラー社はまだベンツ社と合併前で、「ダイムラー」という堅い名前の代わりに、愛娘の「メルセデス」の名前を付けたのだ。彼女はおてんばだったので、メルセデスブランドには「軽く・速く・美しい」というメッセージが込めらていた。

そんな歴史に浸りつつ、新型のSLのスタイリングからチェックしていこう。SLの精悍な顔とエレガントな装いはスポーツカーである前に高級車であることを伺わせる。汗をかかないスポーツカー。レーシングスーツは似合わないスポーツカー。タキシードで乗っても様になるスポーツカー。新型も歴代も、SLはスポーツカーセグメントにおいて何か特別な存在なのである。

試乗ステージはスペインのアンダルシア地方だ。北アフリカのアトラス山脈から地中海を越えて吹きつける風はアンダルシア地方の名物で、最近はその風を利用した風力発電のメッカにもなっている。新しい時代の風が吹き始めたアンダルシアの大地をSLはどう走ったのだろうか?

アンダルシア荒れた山岳路を新しいSLで走ると、絨毯を敷き詰めたように錯覚してしまう。試乗したのはV8ツインターボのSL500(日本表記はSL550)。V8ツインターボは700Nmのトルクを発生するが、その巨大なトルクがリヤタイヤを介して路面に伝えられた瞬間、ボディはビクリとも沈まずに、フラットな姿勢を維持して加速体制に入る。

この軽快にして完璧無比なボディコントロールは新型SLの大きな特徴だ。絨毯の上を走っているような錯覚を与えてくれるのはABCと呼ばれる油圧アクティブ・サスペンションのおかげで、欧州では19インチタイヤを履くAMGパッケージにこのABCサスペンションが備わり、スタンダードモデルにはコンベンショナルなメカニカル・サスペンションも用意されている。

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