新型BMW Z4はスープラとの共同開発で驚きの操縦性と快適性を得たが、ふだん乗りでは過激すぎる面も
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:望月 浩彦
一方、脚の動きに注目してみると、試乗グレードが電子制御サスペンション付きの「Z4 M40i」だったのでなおさらかもしれないが、驚くほどしなやかでグランドツアラー的な仕上げだ。車両重量は約1.5トンだが、もっと重いクルマのように、大きなギャップも跳ねずに、しなやかに吸収することに驚く。
これは重心が低く、前後重量バランスが整っていることに加えて、2シーターというパッケージが理由だろう。2シーターは1名乗車時とフル乗車や積載時の重量変化が少ないので、バランスを整えやすく、足も柔らかくできるなど乗り味が洗練されることが関係していると直感する。
ルーフを閉めるとボディ剛性が高まってハンドル操作に対するダイレクト感が上り、正確性やコントロールの良さなどをより楽しめる。サーキットや速度域が高めのワインディングを楽しむならクローズだ。
逆にルーフを開けると低重心効果が高まり、路面への張り付き感も上がって、姿勢変化が少なく心地よいスポーティドライブを楽しめる。個人的にも、少し剛性が落ちることでいなし効果が出て反応の過敏さが薄まるうえに、オープンエアが楽しめるこの状態が好みだ。
ちなみに雨の中の高速道路をオープンで走っても室内はほとんど濡れない。停車すれば濡れるが、それだけ風の巻き込みが少ない証拠だ。シフトレバー周りに置いたレシートなども飛ばされず、オープン環境はかなり快適だ。
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