M2の後継、コンペティションのキレ味は初代M3の再来だ
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:BMWジャパン
サーキットではDCTではなく、幸か不幸か6速MTに乗ることになった。前を引っ張るインストラクターはDCTだ(ずるい!)。ステアリングスポークにある「M2」スイッチを押すと、サーキットの本気モードとなる。2、3ラップしてから、インストラクターをプッシュすると、レーシングドライバーの本能で逃げ始めた。
加速感は十分速く、直列6気筒の滑らかなエンジンが味わい深いが、6MTは左右のストロークが短く、2速から3速に入れるとき間違って5速に入ってしまうことがあった。サーキットでは圧倒的にDCTが楽で、コース取りに集中できる。一方、カントリー路ではDCTをドライブしたが、MTを駆使するのもドライビングの楽しみのひとつだと思った。BMWジャパンではMTもラインアップするらしいので、どちらを選ぶのか悩ましい。
冒頭でも触れたが、かつてのM3を彷彿させるカミソリのようなハンドリングがこのクルマの最大の魅力だ。わずかにアンダーが出るシーンで、スロットルを戻すとノーズはインを向く。その瞬間に体中の血が沸騰した。意のままに走れる楽しさが満載だ。
一方、中高速コーナーではアンダーステア気味(安定志向)に躾けられているが、最高速は280km/h(Mドライバーズパッケージ選択時)なので、安定性は安全のためのやむを得ない措置だろう。アスカリサーキットは中速コーナーがロールプレイングゲームのように迫ってくるので、このアンダーステアは良心的かもしれない。深いコーナーはスロットルとステアリングをマッチさせればいい。リアサスペンションにはボールジョイントが採用され、限界の予知性も良く挙動が読みやすかった。もちろんダンパーも洗練されているので、カントリー路の乗り心地も許容できるものだった。
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