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レクサスISに新グレード ついにここまで来たか

「ここまで来たか!」

コーナーをひとつクリアした瞬間、感慨を覚えた。そして口をついて出た言葉は「ここまで来たか…」だった。

なぜならいま自分の手のひらに、このクルマが確かにドライバーの意のままに動いていることが余すことなく伝わっているからだ。その感触は、つい数年前までは手に入らないだろう、とすら思えたものだ。それがいま手のひらの中にあることに、深く静かに感動を呼ぶ。レクサスIS250 Fスポーツは、そんな風に言えるほど素晴らしい走りの世界を披露してくれたのだった。

2005年にこのクルマが登場した時、その出来映えは正直今ひとつだった。BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスをライバルとするスポーツセダンとして見た場合、性能で勝っても走り全体の印象でそれらに並ぶことはかなわなかった。しかもスポーツを意識し過ぎたか、乗り心地もバランスを欠いた。

しかしそれからISはコツコツと変更や改良を重ね着実に実力をつけていった。そして以前に乗ったときにも、かなり成長したな、という印象があった。しかし、今回新たに追加されたFスポーツの印象はそれを上回るどころか、新たなクルマに触れたときの感動と同じくらいの驚きがあったのだ。

実は僕がIS250 Fスポーツに触れたのは、既に1ヶ月以上前に自動車専門誌「XaCAR」の取材で袖ヶ浦フォレストレースウェイを訪れた時だった。正直に言うと、実は試乗する前はこのFスポーツをして「なんちゃって」なモデルなのだろうと疑っていた。ISのトップモデルとしてはIS-Fが用意されているわけで、Fスポーツはコスメティックをちょいちょいとイジッた程度だろうと考えていたのだ。

しかしコースインしてコーナーをひとつふたつ…。印象はあまりに衝撃的で、その時感じたのが冒頭の言葉だった、というわけだ。果たしてレクサスはISに何をしたのか?

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