レクサスISに新グレード ついにここまで来たか

BMW3シリーズと同等以上

プレスリリースを読めば新たに設定されたFスポーツは、足回りに関して実に様々な改良／変更が行われていることが分かるが、簡潔に言うならばトップモデルであるIS-Fの足回り系パーツ（およびノウハウ）を移植したグレードといっても過言ではない。

つまりレクサスが大切にするスポーツモデルに与えられる記号であるFを用いるからには、それ相応の中身が必要と考えたのだろう。結果トップモデルで培ったダイナミクスを授かったわけだ。そしてこれが相当に功奏している。

事実、サーキットのコーナーひとつで驚きは確信に変り、その後のコーナーで既に僕はこのクルマを躊躇せず横に向けていた。いや正確にいえば、迷うことなく横に向けられるし、横に向けてもがっかりしないだけの姿勢変化を手にしていたことを確認できたから、4つめ5つめのコーナーではもう存分に楽しんでいた。

正直今までISは、こんな風にして楽しめなかった。しかし今乗っているFスポーツは、この素晴らしい姿勢の変化とドリフトコントロールのしやすさをして、BMW3シリーズと同等以上といえるほどになったと胸を張って言えるのだ。そして同時に思うのは、こんなにバランスに優れて意のままになる日本のFRセダンは他にない！　ということ。そのくらい完成度の高い操縦性を手に入れたのだ。

しかし！　サーキットで良かったといっても、それがイコールで公道で良いとは限らない。が、これに関しても心配は無用だ。既に僕は何度も箱根などでこのFスポーツを試しているが、公道でも実に美味なる走りの世界を味あわせてくれるものになっていることを確認できている。ワインディングでは軽やかなハンドリングでしなかやに路面をとらえ気持ちよくコーナーを駆け抜けていく。そして普段は心地良い張りを伴う乗り味でスポーティさを感じさせつつも、不快な印象は決してない。まさに、走りを存分に味わえる素直な1台に仕上がっていたのだった。