トヨタ ライズは迷わず選択できる素晴らしい実用SUVだが、カーマニアを自覚される方は慎重に判断を
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:編集部 316
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カタチについての好みは人それぞれなため、本稿では深追いしない。筆者個人はライズ/ロッキーのカタチはあまり好みではないが、これを好む人も多そうなデザインではある。運転席からの視界も非常に良好だ。
そして何より全長3995mm×全幅1695mmというコンパクトな外寸であるにもかかわらず、運転席まわりのスペースは広々としており、なおかつ身長175cmのドライバーが適切なドラポジを取った状態でも後席居住スペースは嘘のように広い。
さらには、その状態であっても荷室スペースもこれまた十分以上に広大だ。軽自動車や小ぶりな登録車によくあるパターンとして「後席がめっちゃ広いのは確かだが、その分だけ荷室は激狭」というのがある。だがライズはまったくそうではない。
デッキボード下にある「掘りごたつ」的部分の深さが十分な点とあわせ、このパッケージングであれば、3~4人で構成されるご家族にとっての「乗れて、なおかつ積める家族グルマ」として楽しく有効活用できるだろう。
ドライバーの眼前に広がるパネルや機器、ダッシュボードなどはなかなかデザイン性に優れるが、それらの質感は率直に申し上げて「値段なり」である。どこかニトリっぽいというか。とはいえ206万円という(昨今の新車としては)激安なる車両プライスを考慮すれば「納得の範囲内」ではあろう。
98psの最高出力と140Nm(14.3kg-m)の最大トルクを発生する1Lの直3ターボエンジンはなかなかパワフル&トルクフルで、980kgという軽い車重も相まってか、十分以上の余力をもってこの小型SUVを前進させる。そしてカーブ等を曲がる際も、ダイハツ自慢の「DNGAプラットフォーム」の恩恵か、狙ったラインをピタリとトレースできるかのようなニュアンスで駆け抜けることが可能だ。
ただし、いわゆる乗り心地はさほど良好ではない――と言うとやや厳しすぎるかもしれないが、少なくとも幹線道路や高速道路によくある目地段差を越える際にはけっこうガッツリと衝撃を感じてしまい、その収束もさほどスピーディではない。
とはいえこれも、前述の車両価格206万円という部分から考えれば「まぁこんなモンかな?」と思えなくはないニュアンス。そして世の中の道路というのは次から次へと目地段差が現れるわけではなく、むしろたまにしか現れないため、さほど深刻にとらえる必要はないはずだ。
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