禁断のセクシーボルボ 新型V60&S60に試乗
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:ボルボ・カー・ジャパン、小沢コージ
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:ボルボ・カー・ジャパン、小沢コージ
走りも最初は一瞬、「これがボルボ?」と驚くほどエモーショナル化している。プラットフォームはXC60やV70と同じエンジン横置きのものだが、ステアリングギアレシオが旧型S60に比べ、10%クイックになっているだけでなく、フロントサスは現行S80より47%も固められており、なによりステアリング周りのねじり剛性が2倍に。
結果、ステアリングフィールはまさにボルボとは思えないダイレクト感と滑らかさ。さらに、日本に入るかは未決定だが、オプション設定されたアクティブシャシーを選べば、スイッチひとつで「コンフォート・スポーツ・アドバンスド」の3つの特性が選べる。これまた昔のボルボからは考えられないアイデアだ。
だが、長い距離を走り込めば走り込むほど、奥底には従来と同じ類の安心感を備えていることに気づく。まずハンドリングだが、峠のワインディングをオーバースピード気味で攻めても、決してリアが出るほどではなく、ドイツのFRセダンほどのダイレクトさもないことに気づく。
パワートレインもメインとなる高効率の2リッター直4の直噴ターボは最大出力203psに最大トルク30.6kg-mと十分。それが最新の6速デュアルクラッチ式ギアボックスと組み合わされるわけだから、アクセルを踏めば乾いた排気音と共にスムーズに回る。
しかし、これは低燃費ユニット。燃費を稼ぐためにピークトルクは1750rpmから発生しており、ターボもあって発進はドンと出るが、ゆっくり踏んでいくと2000rpm付近でどんどんシフトアップしていき、低回転だけで走れる。ブレーキも効くことは効くが、レーシングカーのようなダイレクトさはない。
要するにやはりボルボ。スポーティかつエモーショナルにはなっているが、必要以上にドライバーや乗員に鋭さを求めないのだ。昔、ボルボのハンドリングがダルなのは「雪道などで安心して走るため」という話があったが、最新セクシー路線になってもそこはギリギリ譲らないのだ。
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