禁断のセクシーボルボ 新型V60&S60に試乗
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:ボルボ・カー・ジャパン、小沢コージ
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:ボルボ・カー・ジャパン、小沢コージ
なんと言っても変化したのはエクステリアだ。サイズは全長×全幅×全高が4628mm×1899mm×1484mm。ベースとなったS60で比べると、旧型よりひと回り大きくなってはいるが、相変わらずBMWの3シリーズと5シリーズの間で、ベンツのCクラスとEクラスの間。スウェーデン車らしくニッチを狙い続けている。
肝心のスタイリングだが、デザイン・ダイレクターのピーター・ホールバリー氏が「我々はプレミアムになりきれていなかった」というように、今までのスタイリッシュであるが、どこか実用的でマジメな匂いがしたところをスッパリ取り去っている。もっとも特徴的なのはリア。冒頭でも言った通り、今までのハコっぽく、実用最優先だったデザインをやめ、大胆に左右に絞ってあるだけでなく、リアゲートのガラス部分がクーペのように斜めになっており、完全に空力であり、スタイル優先。
ラゲッジルーム容量も430リッターとセダン並みであり、600リッター近いV70と比べると3分の2程度。床下収納を付けたり、リアシートの背もたれを3分割式にしたり、テールゲート幅を1095mmとするなど使い勝手には最大限の配慮がなされているがそれでも使い勝手の絶対値は落ちた。というかもはやボルボユーザーでも、以前のようにキャンプ道具はもちろん、カメラマンが最大サイズのレフ板を畳まずに入れたという話はもはや幻想で、ラゲッジを使い切る人はほぼいないという。一抹の寂しさはあるが、これまた時代なのだ。
一方、フロントマスクもスポーティ。グリルは全体に丸みを帯びてスタイリッシュ化し、さらに全体が前に行くほど絞られており、ある意味イタリア車風。中でも重要なのが左右のプレスラインで、従来は直線的でマッチョ感重視だったのが、今回から前のめりかつ上下に艶めかしく踊っており、まさにセクシー! 男性的だったデザインは、女性的になった。
インテリアもますますもってスカンジナビアン・テイスト全開。XC60同様、センターに北欧家具風のセンターフローティングスタックを採用した、デザイナー受けしそうなシンプルさと有機的テイストが融合したものだが、素材が少々ハデに。マッドテイストだったシルバーパネルはツヤを増し、ウッドはより色濃く大人っぽく、本革シートも今までにない赤っぽいブラウンが選べるなど、全体にセクシー化。ますますデザイン革命は進んでいる。
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