肉食系SUV、メルセデスML63AMGの実力!
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
エア・サスペンションはAMG専用にチューニングされ、可変ダンパーも採用される。さらに、ダンパーの減衰力とロール量をコンピューターが最適化し、安定性と操縦性のベストバランスを提供してくれるアクティブカーブシステムが備わる。走行モードはコンフォート・スポーツ・マニュアルの3種類だ。AMGの場合はスポーツモードでもさほど乗り心地が悪化することはない。
ノーマルのAMGとパフォーマンス・パッケージの違いは、乗り心地では明らかだ。ノーマルのAMGは20インチのタイヤを履くが、こちらのほうが路面とのアタリがマイルドで快適だ。しかし、電動パワーステアリングのフィールはすこし軽めなので、AMGのキャラクターには似合わない。むしろパフォーマンス・パッケージが履く21インチのタイヤの方が、ステアリングの手応えはしっかりとしている。
最新AMGの魅力はSクラス譲りの安全装備がすべて備わっていることだ。追従型のクルーズコントロールやレーンキープ、さらにプリセーフ・ブレーキやブラインド・スポット・アシストなどは非常に役に立つと思う。パフォーマンスも快適性でも史上最強のSUVであることは間違いないが、安全と環境性能でもAMGは妥協していないところが立派だと思った。
この最強のSUVにライバルは存在するのだろうか? 肉食系のSUVとしては、BMWのX6MやX5M、あるいはポルシェのカイエンターボの名が上がる。お互いにエンジンのパフォーマンスはいい勝負だが、BMWやポルシェはかなりアバンギャルドな雰囲気を持っている。むしろML63AMGの方が野生的で、大自然の中を自由奔放に走りまわるのが似合っていそうだ。
ハイブリッドに関しても色々な研究を続けているが、「ディーゼルは選択肢にない」とAMGのボードメンバーは言い切る。あくまでもガソリンエンジンにこだわる覚悟だ。ML63AMGは新世代のガソリン・ターボエンジンを搭載して登場したが、走りの質感はさらに進化していたのである。洗練された肉食系SUVの最右翼と言えそうだ。
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