新型ジープ ラングラーは軟派になった感を否めずも旧型オーナー納得の進化
掲載 更新 carview! 文:山崎 友貴/写真:FCAジャパン
掲載 更新 carview! 文:山崎 友貴/写真:FCAジャパン
試乗はオンロード1時間、オフロード20分程度という短いものでしたが、旧型ユーザーに大きなショックを与えるのに十分なものでした。それはドアに触った瞬間からやって来ました。JK型のドアはハンドルの開閉ボタンが硬く、さらにラッチも重いため、男性でも開閉時にはそれなりの力を要し、女性は思いきりドアを叩きつけなければ半ドアになる始末。
新しいJL型はドアパネルにアルミを使用し、ドア4枚で15kgもの軽量化に成功。これが功を奏して、まるで軽トールワゴンのような軽さでドアの開閉ができるようになりました。ドアノブのタッチも改良されており、これならネイルアートを施した女性でも安心して乗り降りができるはずです。
また、ドアに新たなヒンジを追加することで、ハーフポジションでドアを止めることができるようになりました。JK型は全開時にドアを固定するロープ(!)ストッパーが付いているだけでしたので、狭い場所で無造作にドアを開けると、壁や隣のクルマにぶつけてしまうということが多々あったのです。
運転席に乗り込んで、またまた驚きが。まずステアリングのポジションが大幅に改善され、様々な体格の人に対してドライビングポジションが取りやすくできています。ステアリングの装着角度自体が多少上向きになり、さらに調整機構はチルトに加えて、テレスコピックも採用されました。
運転席のレッグスペースやペダル位置も改善されています。前輪を前方に35mm移動させたことで、旧型ではゴチャついて脚の置き場を見つけるのが困難だった足元に余裕が生まれました。さらにフロアトンネルの足元への張り出しが少なくなったことから、運転時の腰から足へかけての影響が少なくなり疲労感も軽減されます。
もちろんスイッチなどインターフェイス類もすべて新造形ですが、中でもセレクターレバーが使いやすくなりました。ゲート式だったセレクターレバーは単純なストレート式に変更され、マニュアルモードでも上下に作動させるタイプに変わりました。これで、ようやく直感的にシフトアップ&ダウンができるようになるはずです。インパネの使い勝手は格段によくなっていると思います。ですが、いかにも今どきのSUVになってしまったデザインは旧来からのジープファンには残念とも言える部分です。
また、運転席・助手席のシート形状が改善されたことに加え、後輪を後方に25mmずらしたことで、ようやく後部座席のシートバックに角度が付きました。相変わらずリクライニングはしませんが、従来の直角シートに比べれば、パッセンジャーは快適にドライブを楽しむことができるはずです。
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