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先行開発から10年、レース挑戦から5年で到達した「水素が当たり前の光景」。なぜTGRは“超電導”という未知の世界に挑むのか

先行開発から10年、レース挑戦から5年で到達した「水素が当たり前の光景」。なぜTGRは“超電導”という未知の世界に挑むのか

S耐 最終戦「S耐FINAL大感謝祭」

10年後の未来に向けて

トヨタは、超電導技術だけでなく、前戦の岡山ラウンドで「GRヤリス」に新開発の2.0L直列4気筒ターボエンジンをミッドに搭載した「TGRR GRヤリス Mコンセプト」をデビューさせた。さらに「GRヤリス」の8速AT「GR-DAT」や、次期「GR86」の開発をS耐の場で行っている。

なぜトヨタは、ここまで辛く苦しいレースの現場で、様々なことに挑戦するのだろうか。高橋氏は次のように話す。

「レースで走らせると色々な課題が出て、その度にカイゼンしているが、まだまだ我々の目指す『もっといいクルマづくり』に満足はしていない。逆に、レースで走らせるほど、我々の目指す姿が遠いというのがわかってきて、やればやるほど『もっといいクルマ』が遠い存在になっていく。それはいい意味でもあって、終わりなくカイゼンしていくのが『もっといいクルマづくり』の本質」(高橋プレジデント)

レースへの挑戦こそ、TGRのDNAなのだ。さらにレースの現場で人も鍛えていく。トヨタによると、のべ1000人を超える社員が、S耐の現場でクルマづくりに参画したという。

「2021年に水素でのレースを始めた時は、世の中でも水素自体があまり認知されていない時期だった。そんな中でも、我々はマスタードライバーで会長の豊田と一緒に『なんとか水素社会の未来を作ろう』ということをぶれない意思として進めてきたからこそいまがある。

一歩一歩、着実に地に足をつけて進んでいく。それがサスティナブルな社会を作るということだと思うので、今後もぶれることなく『未来をつくるんだ』という強い意思で進んでいきたい」(高橋プレジデント)

今回、インタビューの最後に高橋氏がおもむろに手を挙げ、伊東氏に逆質問をする次のような一幕があった。

「水素エンジンは、実は伊東が2015年ぐらいからずっと続けているんですけど、10年やってきてどうでしたか?」(高橋プレジデント)

伊東氏の答えが次だ。

「先行開発は、やっている自分たちもうまくいくかどうかわからない中始めるんですけれど、S耐という場があって、自動車メーカーとしてこういったチャレンジをやらせていただいたからこそ、いまの水素エンジンがある。こういう環境を頂けているということが、エンジニアとしてとても光栄。最終的に商品に繋げていくのが目標だが、まだ商品化に至っていないから、商品に至る技術にしっかり仕上げていく」(伊東氏)

伊東氏はやや謙遜して答えたが、噂によると、S耐に出る前に一時水素エンジンの開発はお蔵入りになった過去があるそうだ。それでも伊東氏は諦めず、いまではS耐で当たり前の光景にまで技術が進化した。

伊東氏がまいた小さな種は、地球課題を解決する技術のひとつとして、いまや多くの人から期待されるところまで成長した。伊東氏の水素技術は象徴的なエピソードの1つだが、超電導への挑戦をはじめ、こうして次世代のクルマの芽が1つ1つ育てられているのである。

先行開発を始めて10年、そこから仲間を集め一歩一歩進んできた5年。次の10年は、いったいどんな景色が広がっているだろうか。

(終わり)

(写真:トヨタ、ハシモトタカシ)

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みんなのコメント

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  • 2025/12/18 12:41

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    水素は夢があります
    即日乗用車に転用とかの技術じゃありませんが、そちらはトヨタは全固体があるので任せて
    水素技術を高めることは、トラックやバス需要など、大きな市場を獲得できる基盤になります
  • 2025/12/18 13:22

    違反報告

    今年のノーベル賞で話題となった金属有機構造体(MOF)の存在を初めて知った時、真っ先に私が思い浮かんだのは「この車に搭載できるか?」。
    水素だけではなく、従来の燃料エンジンから出る排気ガスの除害にも使えるかも。
    ますます楽しみである。
  • 2025/12/18 16:03

    違反報告

    まさにトヨタの一人勝ちの状態ですね!

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