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11代目の新カローラは年寄りクルマなのか?

初代カローラの記憶

これまでに世界中で3900万台も販売されたというトヨタのベストセラー、カローラが11代目にモデルチェンジした。11代目と聞いても歴代モデルすべての姿が思い浮かぶわけではないが、初代については明確に記憶がある。1966年秋の東京モーターショーにデビューし、それから間もない同年11月に発売開始されたそれは、1.1リッター直4OHVエンジンで後輪を駆動する2ドアセダンで、ボディサイズは全長3845×全幅1485×全高1380mmという今にして思えばコンパクトなもの。車重はたった710kgしかなかった。

初代カローラは、ひと足早く同年春に発売されていた日産サニー1000よりエンジン排気量が100cc大きかったため、「プラス100ccの余裕」とサニーを強く意識した広告コピーを展開。そうしたら、後に1.2 リッターエンジンを積んで登場した2代目サニーが、「隣の車が小さく見えま~す!」というコピーでやり返したのが、当時話題になったものだった。

当時19歳の学生だった僕にとって、初代カローラで最も意外に思ったのは、フロアシフトの4段ギアボックスを標準採用していたことだった。当時、日本の実用車はコラムシフトが普通で、ライバルのサニー1000などデビュー当初は3段コラムシフトしかなかったのだが、それと比べるとカローラの4段フロアシフトは、なんともスポーティなスペックに思えたのだった。しかも当時のトヨタは、決してスポーティイメージの強いメーカーではなかったから、余計意外に感じられたのである。

ちなみに同じ66年秋の東京ショーにデビューし、翌67年に発売されたクルマのひとつに、発売直後から軽自動車のベストセラーにのし上がるホンダ N360があった。いずれも日本の高度経済成長期の勢いがストレートに感じられる、元気あるクルマたちだった。

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