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11代目の新カローラは年寄りクルマなのか?

46年の歴史で最も大きい出来事

11代目が登場した今年は初代のデビューから46年目に当たるが、その間にカローラに起きた出来事で最も大きいことのひとつは、83年に登場した5代目から、標準モデルが後輪駆動(FR)から横置きエンジンの前輪駆動(FF)に替わったことだった。ヨーロッパでは70年代から小型車のFF化が急速に進んでいたから、当時すでにグローバルカーとして世界中に足跡を示していたカローラとしては、当然のメカニズム変更だといえた。

とはいえ当時のトヨタは、すべてのカローラをFF化することをせず、スポーツクーペ系のレビン/トレノには別のプラットフォームを与えて、縦置きエンジンのFRを踏襲した。それが今日の「86」のネーミングの元になった、AE86系レビン/トレノである。

話を初代FFカローラに戻すと、そのなかでメカニズム的に最も贅沢なスペックを持つスプリンター5ドア1600ZX・ATというモデルを、当時僕が在籍していた自動車専門誌『CAR GRAPHIC』が購入、1年強にわたって僕がその長期テストを担当していたことがある。100psの1.6リッター燃料噴射エンジンと4段ATによる走りは、車重が954kgと軽かったこともあって当時の水準としては活発なものだったし、腰の低いシャシーのもたらすハンドリングや乗り心地も、初の前輪駆動カローラとしては上出来だったと記憶している。

この5代目や、87年に「もはや大衆車ではない」といわれて登場した6代目、続く91年の7代目などは、それなりにコストの掛かった、しっかり造られた小型車だった。

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