マツダ CX-30、CX-5、CX-8でマッドなオフロードコースへ。乗用車向けAWDの進化を実感
掲載 更新 carview! 写真:篠原 晃一 111
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今回の試乗コースは、急勾配の長めのヒルクライム&ダウンヒルをCX-5で、急勾配やバンクのある林間コースをCX-30で、そしてモーグルコースをCX-8で走行するという3種類。
まずはCX-5で、急勾配のヒルクライム&ダウンヒルのロングコースへ。路面は前夜から試乗直前まで降っていた雨でかなり滑りやすいマッドな状況で、タイヤは市販車そのままのノーマルタイヤと、ある意味マツダAWDの実力を試すには好都合な状況ではありました。
ちなみに、3モデルの最低地上高はCX-5が210mm、CX-8が200mm、CX-30が175mmと、意外やオンロード重視と思われるクロスオーバーSUVとしては、必要十分なスペック。特にCX-5はサスペンションストロークも伸び側、縮み側とも最も余裕のある足回りとなっています。
まずスタート直後の最大約25度という急勾配ヒルクライムでは、アドバイスに沿って30km/h前後のスピードで駆け上がると、ただアクセルを踏んで、ハンドル操作していただけで、何事もなかったようにあっさり登り切ってしまいました。追加されたオフロード・トラクション・アシストの作動スイッチは、スタックした際に押す機能なので、ここでは作動させる必要もありませんでした。
印象的だったのは、タイヤがスリップしている感覚が最小限だったこと。ドライバーが感じとれないレベルのわずかなタイヤスリップまでリアルタイムにモニターして駆動力を配分しているというi-ACTIV AWDですが、本格的なクロカンモデルのように機械式デフロック機構やLSD機構などを持たない、いわゆる乗用SUV用のAWDでも、ノーマルタイヤでこんなに普通に上ってしまうのかと素直に感心。
しかし、急勾配のダウンヒルでは、やはりAWDの性能そのものより、ノーマルタイヤの心もとなさが先に立ちます。ブレーキを離しても極低速で坂を下ってくれるヒル・ディセント・コントロール機能が付いていないのは、CXシリーズの生い立ちからも理解はしつつも、ABSの作動音を聞きながら、車体を真っすぐに保つことに集中して、急勾配を下ったのは、あまり心臓に優しい経験ではなかったというのが正直な気持ちです。
次のページ>>CX-30で急勾配のスタック状態からの脱出を試みる
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