ドライブ好きなら740i 吉田 匠のチョイス!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:中野 英幸
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そのように、パワートレーンにはなんの文句もなかった750Liだが、シャシーにはちょっと違和感を覚えた。まず「ダイナミック・ドライビング・コントロール」をコンフォートにセットして走り出すと、乗り心地が昔のアメ車を思い出させるほどフンワリと柔らかい。そこでボタンを押してモードをノーマルに換えるとダンピングが適度に締まった感じで、程よい柔らかさに。続いてスポーツを選択すると明らかに脚が硬くなり、ステアリングの手応えも増して、コーナーに進入する際のロールも抑えられたものになった。しかしそれでも乗り心地は充分に許容の範囲にある、というより、硬いけれども依然として快適といえるレベルにある。さらに最強のスポーツ+を選択すると、今度はDSCの作動が制限されるけれど、サスペンションの硬さはスポーツと変わらない。
というふうに、乗り心地とコーナーでの挙動はモードによって歴然と変わったが、明確な変化を見せなかったのがステアフィールだった。モードをスポーツ寄りにしていくにつれて操舵力は重くなっていったが、BMWとしては曖昧に思える感触が最後まで付きまとった。結果としてこの750Liからは、さすがはBMW、こんなデカいサルーンなのに運転感覚はスポーティであるのぅ、という実感が明確には得られなかった。
そこで740iに乗り換えると、ドライビング感覚はいくつかの部分で750Liとは明確に変わった。まずステアリングから曖昧な感触が消えて、路面の感覚がはっきりと手の平に伝えられてくる。ただし、新しいインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングによるものか、あるいはダブルウィッシュボーンに変わったフロントサスペンションの影響か、ステアリングの手応えは先代7シリーズのねっちりした感触とは違う、やや軽めのタッチに変わっている。一方、このクルマも「ダイナミック・ドライビング・コントロール」装着車だったが、例えばコンフォートモードにしても750Liのようなフンワリ感はなく、各モードにおけるボディの動きは750Liより少しずつ締まっている。とはいえそれが硬すぎることもなく、スポーツやスポーツ+でも、乗り心地が許容範囲にあるのは変わらない。
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