Eクラスクーペ国内試乗 美しき、ルーフライン!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:齋藤 正
Eクラスセダンの登場から2ヶ月。今度はスタイリッシュなクーペモデルが日本上陸を開始した。コンセプトは「Emotion&Efficient」。クーペのもつエモーションと、Eクラスセダンのもつ合理性を融合したモデルだというのがメルセデスの言い分だが、まずは前半部の「Emotion」について見ていくことにしよう。
デザインの善し悪しは多分に個人の趣味や嗜好に影響されるものだが、Eクラスクーペを見て「カッコいい!」と思わない人は少数派なのではないか。それほどまでに、そのルックスは魅力的だ。なかでも最大の見せ場となるのがルーフライン。単に美しいとか、洗練されているといった言葉で片付けてしまうのはもったいない。直感的に描いたにしては計算され尽くしているし、計算だけで描いたにしては情熱的だ。おそらく、才能優れたデザイナーが自らのなかで多くの時間を費やし考え、練り上げ、描きたい! という気持ちが最高潮に達したタイミングで一筆書きのように一気に描いたのではないか。これは単なる想像に過ぎないが、少なくともそういった想像をかき立てるオーラのようなものが伝わってくる。
フェイスにはEクラスセダンとよく似た「ツインヘッドライトデザイン」を採用するが、より薄いグリルにスリーポインテッドスターを埋め込んだ専用デザインのおかげで、セダンとの見分けは一瞬で付く。1955年のS220「ポントン」クーペへのオマージュである独特のリアフェンダーもセダンと共通だが、リアドアがなく、オーバーハングも短いクーペの方が、ユニークなデザインをきれいに消化しているように見える。全体的に律儀でカチッとした印象のセダンと比べると、クーペのルックスは明らかにスポーティーにしてエレガントだ。
というわけで、「Emotion」という謳い文句に偽りはない。では、次に「Efficient」に関してはどうだろうか?
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