コンパクトSUVのGTI！Tiguan新グレード試乗

プラス55万円の内容と価値

さらに「トラック＆フィールド」と「スポーツ＆スタイル」の相違点について書くと、まずは機能部品の要のエンジン。同じ2リッター 直噴4気筒ターボのTSIでも前車が170ps仕様だったのに対して、後者は28.6kg-mのトルクは変わらぬまま、パワーを200psに上げた仕様を搭載している。つまりゴルフＶのGTIと同出力、同仕様のエンジンというわけだ。ただしエンジンから先の、6段ATと4MOTION方式の4WD駆動系は、「トラック＆フィールド」と「スポーツ＆スタイル」の両者に共通する。もうひとつ走りに関係する機能部品でいえば、ホイール＆タイヤが16インチから17インチに拡大されている。正確にいえば、ホイールは6.5J×16の“サンディエゴ”から7J×17の“ロサンジェルス”に、タイヤサイズは215/65R16から235/55R17に替わっている。

内装のドライビングに直接関連する部分では、レザー巻き3本スポークのステアリングホイールが「スポーツ＆スタイル」ではマルチファンクションタイプになり、シートもファブリックとアルカンタラを組み合わせたスポーツシートに替わる。準機能部品的アクセサリーでは、HDDナビ、iPodおよびUSBデバイス接続装置、ETCなどが「スポーツ＆スタイル」では標準になり、盗難防止装置のオートアラームも標準で備わる。

　最後に再びエクステリアの違いに戻ると、「トラック＆フィールド」ではフロントグリルにだけ施されたクロームパッケージが「スポーツ＆スタイル」ではサイドウィンドーにも加わる他、左右リアサイドウィンドーとリアウインドーがダークティンテッドガラス化され、ルーフレールの仕上げは逆にブラックからクロームへと替わる。

　これだけの違いがあるなら「スポーツ＆スタイル」の55万円のプライス上昇は当然と思うか、そこまでの装備は必要ないと思うか、判断の分かれるところかも。