独オペルに救世主現る インシグニア緊急試乗!
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久
試乗したのは4ドアセダン、5ドアハッチバック、スポーツツアラーと呼ばれるワゴンのうちの4ドアセダン。装備レベルは“セレクション”、“エディション”、“スポーツ、“コスモ”の4タイプの中でも最上級の“コスモ”である。しかもパワーユニットは最高出力260psを発生するV型6気筒2.8リッターターボ“ECOTEC”。フルタイム4WDの6速AT仕様という、文字通りの最上級。車両価格は4万1435ユーロというから、いかにも広報車両らしいというか、正直ほとんど売れないモデルに違いない。ベースプライスは2万2700ユーロである。
走らせてみて感じるのは、操作系各部のタッチがとても上質なことだ。ステアリングは滑らかだし、ペダル類の剛性感もある。従来のオペルも質実剛健な感じはあったが良いモノ感は大きくはなかった。その辺りがグッと改善されている。
乗り心地も上々だ。ステアリング、スロットル、AT、そして電子制御式ダンパーの設定を「SPORT」と「TOUR」の2モードに可変できる「FlexRide」のおかげもあって、サスペンションが滑らかに動いているのもそうだが、何より効いているのはボディ剛性の高さだろう。サスペンション自体の剛性も高そう。まあ、この辺りは以前からオペルの美点だったわけだが、そこに更に洗練という要素が加わっているのだ。
このガッチリとした骨格は走りの安心感にも繋がっている。試乗したのは主にアウトバーン。雨まじりの中を数百km走ったのだが、前が開けば200km/hでしばらく巡航するような相当なハイペースで飛ばしたにも関わらず、不安感を抱いたことは一度も無かった。
一方、エンジンの印象はあまり濃くなかった。パワーは十分だったけれど、まあそれだけ。あくまで実用エンジンの域を出てはいない。日本向け最後のアストラに設定されていた2リッターターボ辺りの方が印象は良かったかも? もっともヨーロッパでの主力がディーゼルなのは間違いない。
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