ジャガーXFに海外試乗! ジャガーの癒しは健在か

V6とV8スーパーチャージャーは日本で試乗

国際試乗会ではV6の試乗車はなく、V8スーパーチャージャーは全般的に角があってあまり印象が良くなかったので、この2台については日本で行われた試乗会で確認した。

V6で気になるのは、パワー的に充分かということだろう。試乗ステージは箱根の山道であったが、力不足を覚えることはなかった。強いて言えば、V8よりトルクがない分、高回転まで回すことになる。すると、エンジンサウンドが心地良い。シチュエーションによっては、パドルシフトを積極的に使ってエンジントルクのおいしいところを使えばパワーフィールとフットワーク、いずれもエモーショナルな走りを楽しめるだろう。

一方、V8スーパーチャージャーも、納得できるクオリティに仕上がっていた。国際試乗会で気になった、ステア操作に対するナーバスさもなく、乗り心地の角もなかった。エンジンパワーは過剰とも思えるほどで申し分ない。V8よりもパワーアップした分、サスペンションも若干引き締まった印象だけれど、イヤな硬さはない。シフトセレクターをDからSDにしようものなら、高めの回転数が維持され、さらなるパワーアップを図ったかのような力強い走りを披露する。パワー志向の人やロングドライブを好む人、ワインディングを走る人には良いだろう。

新しい魅力を纏ったジャガーXFは、いままでのジャガーのブランドイメージを良い意味で覆してくれるだろう。けっして伝統を無視することなく、それでいてまったく新しい価値観を提案し、いままでジャガーブランドに馴染みのなかった人にも抵抗なく乗れる。XFはそんな、フレンドリーなクルマであり、まさにそれがジャガーの目指している方向といえるのではないだろうか。