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プリウス×インサイト、東京マラソン【後編】

インサイトの優位点とは?

ではインサイトはどうか? 189万円の「G」グレードはVSA(横滑り防止装置)とサイド&カーテンエアバッグがオプション(プリウスは全車標準装備)であり、それらを注文すると215万7750円となってプリウスより高くなる。しかも、ディーラーオプションのアルミを注文すれば価格差はさらに拡がる。そう、価格の安さを最大のアピールポイントにしているインサイトにとって、プリウス「L」の205万円は本当に本当に大きな脅威なのだ。

となるとインサイトに勝ち目はないのか? パワートレーンのフィーリングや居住性などについては過去のレポートを見ていただくとして、プリウスの「L」とインサイトの「G」を乗り比べてみて感じたのは、シャシー系から来る楽しさはインサイトのほうが上だということ。正直、インサイトも乗り心地に課題を残している。しかしステアリングのダイレクト感や、コーナーでの軽快な身のこなしはなかなかのもの。プリウスのツーリングセレクションと比べると劣勢に立たされるが、プリウス「L」との比較ならインサイトのほうが運転していて楽しかった。もちろん、装備を含んでの価格や燃費等々、冷静に考えるとプリウスが優位に立っているのは事実だ。それでもインサイトが売れ続けているのは、プリウスにはない魅力、それもカタログでは表現できない魅力がインサイトに備わっていることをユーザーが認めている証拠だろう。 

トヨタは年内にもリチウムイオンバッテリーを搭載し、EV走行距離を大幅に伸ばした「プリウスのプラグインハイブリッド仕様」を官公庁を中心にリース販売する。一方、ホンダは年明けにもハイブリッドスポーツの「CR-Z」や、「フィット・ハイブリッド」を発売し、楽しさや低価格を訴求してくる。もちろん、トヨタもさらなるハイブリッドの普及を目指し、ハイブリッド車のモデルバリエーション拡大に取り組んでくるはずだ。

加えて、メルセデス、BMW、VW、ポルシェといったドイツのプレミアムブランドもハイブリッド車を続々と投入してくるなど、数年先には数多くの選択肢が用意され、ハイブリッド戦争は間違いなく激化しているだろう。そんななか、僕が興味を抱いているのは、勝者が誰になるのかではなく、ハイブリッドという新しいテクノロジーが、我々のカーライフをどれほど豊かで楽しいものにしてくれるのかということに尽きる。

そういう観点からプリウスとインサイトを眺めてみる。ハイブリッド車の本格的普及の先駆けとなったこの2台は、間違いなく歴史に名を刻むクルマだ。しかし、まだまだ改善の余地はある。より低燃費を狙うのはもちろんだが、もっと気持ちよく、もっと快適に、もっと楽しく乗れるクルマを目指して、熟成を進めていってもらいたい。

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