新6シリーズ カブリオレ 国内試乗で徹底解析
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
ここ最近のBMWの上級モデルにはダイナミック・ドライビング・コントロールという走行モードをノーマルやスポーツに変更するスイッチがある。これはシフトプログラムやエンジンレスポンス、さらにはハンドルの手応えなどを統合して制御するもので、乗り味が大きく変わる。これに加え、電子制御のサスペンションシステムのアダプティブ・ドライブを選択すると、劇的に乗り味が変わると覚えておいてほしい。
6シリーズカブリオレの場合、ダイナミック・ドライビング・コントロールは標準だ。アダプティブ・ドライブは650iでは標準だが、640iにはOP設定となる。その効果を知らなければ選択しない価格だが、強くお勧めしたい。アダプティブ・ドライブの電子制御サスペンションはダンパーの伸び縮みの減衰力を自由自在に個別制御可能とするとんでもない代物だ。絨毯の上を走るようなしっとりとした乗り味から、カーブでガッチリと路面を捕まえる強靭さを併せ持つのはもちろん、うねった路面でのフワッとした動きを抑えたり、加減速時の姿勢変化を抑えてフラットライドを高度なレベルで実現してしまう。時にはエレガントに、時にはスポーティに激しく、気持ちのおもむくまま走りたいという方にうってつけの乗り味を提供してくれるのだ。
最後にエンジンに関しても触れておこう。3リッター直列6気筒を直噴ターボで武装した640iは低回転からトルクフルな特性により出足が鋭く、8速ATとの相性も良いので十分な加速力がある。フロント周りが軽く、曲がり出しの軽快感もあり、高回転時の伸び感にも優れる。しかもアイドルストップ機構を装備して環境性能にも優れる。一方、650iの4.4リッターV型8気筒は直噴ターボを組み合わせ、600Nmを1750rpmから発揮する、持て余すほどのトルク感や加速力が魅力だ。だが個人的には、コストパフォーマンスも踏まえたうえで、640iにアダプティブ・ドライブを装着した仕様が最も魅力的に感じた。
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