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最もスポーティなV40 T5 Rデザインの走り

個人的にイチオシ。大人のスポーツハッチ

足回りにはRデザイン専用のスポーツサスペンションを装備している。T4に対しばねレートをフロントで10%、リアで7%高めるとともに、ダンパーやスタビライザーも強化。タイヤは18インチ、リアダンパーはモノチューブ式だ。

17インチタイヤを履くT4 SEでも「ちょっと固すぎるかな?」と感じるシーンがあるだけに、こうしてRデザインのスペックを眺めると、かなり締め上げたフットワークだと予想した。しかし、それはいい意味で裏切られた。Rデザインのサスペンションは驚くほどしなやかに動く。T4 SEよりむしろ快適だと思ったほどだ。はてなと思ってスペックを調べてみるとRデザインはT4系より車重が110kg重い。相対的なばねレートは荷重によって変化するため、体感的なばねの硬さはT4系にほぼ近いところにありそうだ。その上で1ランク上のダンパーを採用した結果、低速域からしなやかに足が動く上質なフットワークが生まれた、というのが僕の分析だ。このあたりは、決して粗っぽくはないものの、ノーマル系より明らかに硬めの足をもつV60/S60シリーズRデザインと方向性がやや違うなと感じた。

ノーズに重い5気筒エンジンを積むV40のRデザインは、ターンインでの素早い回頭性や、いわゆるヒラヒラ感を楽しむためのモデルではない。それを求めるのなら、むしろT4 SEがベストだろう。もちろん、ステアリング操作に対する応答遅れがあるわけではないが、Rデザインの真骨頂は、しっかりとした接地荷重をもつフロントタイヤを路面にギュッと押しつけながら、高い安心感を伴って正確なラインを描く・・・といった振る舞いにある。そこに、前述した2L5気筒ターボの上質感としなやかな乗り心地が加わった結果、T5 Rデザインは上質な大人のスポーツハッチという実に魅力的なキャラクターを獲得した。

16インチタイヤがもたらすマイルドな乗り心地や小さい最小回転半径、269万円という価格が魅力の“素”の「T4」、価格と装備のウェルバランスとスポーティーなドライブフィールが魅力の「T4 SE」、上質な大人のスポーティー「T5 Rデザイン」、そして5月にはSUVテイストとAWDをもつ「クロスカントリー」が加わる。多彩なキャラクターをもつV40シリーズはどれも魅力的だが、個人的にもっとも気に入っているのはこのRデザインだ。

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