最もスポーティなV40 T5 Rデザインの走り
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
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Rデザインの価格は399万円。ただしこれには標準装備の本革シートとナビゲーションシステムが含まれるため、それらがオプションとなるT4 SEとの価格差は実質45万円。内外装に奢った数々の専用パーツやエンジンの違い(4気筒と5気筒)を考えれば、リーズナブルな価格設定である。
そんな印象は、実際に試乗するとさらに強くなる。まずはエンジンだが、スペックの差(180ps→213ps、240Nm→300Nm)以上に異なるのが質感だ。街中中心の短時間の試乗でスポーティーに感じるのは、あるいはT4かもしれない。1.6Lで180psという高出力を絞り出すT4の4気筒ターボは、ラフなアクセルワークをすると過給がググッとかかってドライバーの予想を上回るダッシュを見せるケースがある。6速DCTの小気味よい変速特性も、スポーティーなドライブフィールを生みだしている理由のひとつだ。もちろん、慣れてしまえばスムースな加速をすることは簡単だが、ときおり見せる「予想以上の加速」が、T4にエネルギッシュなフィーリングを与えている。
それに対し、Rデザインの2L 5気筒ターボはよりフラットなトルク特性を持っている。排気量に余裕があること、またトルコン式6速ATのトルク増幅効果も手伝って、アクセルを踏み込んだ直後の、過給が十分に立ち上がっていない領域でも太いトルクが発生する。このレスポンスの良さはとても気持ちがいいし、加速のリニアリティも高い。右足の動きに素早く反応し、なおかつ踏めば踏んだだけ加速する・・・そんな扱いやすさと余裕の大きさを味わわせてくれるのだ。
回転フィールも上質だ。T4の4気筒も4気筒エンジンとしてはトップレベルのスムースさを備えているが、Rデザインの5気筒は回転フィールがより緻密で滑らか。なおかつ、積極的に回していくと5気筒エンジンの特徴である管楽器のような艶のあるサウンドが聞こえてくる。トップエンドの伸びきり感も5気筒の勝ち。絶対的な静粛性ではT4に対しさほど大きなアドバンテージはないものの、プラス400ccと1気筒は、間違いなくRデザインに1クラス上の車格感をもたらしている。
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