FRらしさと安定感を両立する後期型86。アルミテープの謎にも迫る
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦 1
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦 1
もっとも、86とBRZはタイヤも含めたハードウェアがまったく共通だから、理論的な限界値は86もBRZが同じはずである。なのに発売初期は「BRZのほうが安定性が高い」との論調が多かった。
発売から少し経過したころ、トヨタ側のチーフエンジニアである多田哲哉氏にお会いした。そうした論調が主流であることを受けて、氏から「メディアの連中は分かっていない!」といった主旨のお叱りを受けたことをおぼえている(もっとも、実際の多田氏は優しい人柄で、実際の表現はもっとソフトだったが)。
しかし、発売初期のそうした86特有のクセは、年次改良ごとにみるみる改善されていった。私も初期の86に「不意に後輪が滑っちゃって、ちょっと怖い」と思ってしまった乱暴運転タイプのひとりだが、ZENKIの最後にはそんな不安感もまるでなくなっていた。
本格的な走りについては、河口まなぶさんのサーキット試乗レポートを参照いただきたいが、今回のKOUKIでは、年次改良で追求されてきた安心感に、さらに拍車がかかった印象である。FF車から乗り換えた一発目の操舵から、本格FRスポーツカーらしい鋭いレスポンスにゾクッとするものの、リアが安定感を失うことはまるでない。もちろん無謀な運転への許容度が高いタイプではないが、リアタイヤの外側に見えない壁ができた…という感覚はある。
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