ホンダは2024年5月16日、四輪車の電動化を中心とした同社の取り組みについて説明会を開催した。
2050年に温室効果ガスの排出量で実質ゼロにすること(カーボンニュートラルの実現)を目標としているホンダ。二輪・四輪などの小型モビリティについては、EV(電気自動車)がもっとも有効的なソリューションであるという考え方は変わらず、長期的視点で見ればEVシフトは着実に進んでいくと確信しているという。2030年の時点で、グローバルでのEV/FCEV(燃料電池自動車)販売比率を40%、200万台以上のEVを生産する計画で、2040年にEV/FCEVの販売比率を100%とする構えである。
ホンダのEV戦略を担う「ホンダ0(ゼロ)シリーズ」は、「Thin(薄く),Light(軽く),and Wise(賢く)」という新たなEV開発アプローチにより、ゼロからの発想で創り出す、まったく新しいEVシリーズ。2024年1月に開催された世界最大のエレクトロニクスショー「CES 2024」では、SALOON(サルーン)とSPACE-HUB(スペースハブ)の2つのコンセプトカーを出展。特にフラッグシップモデルとなるSALOONは、2026年にこのコンセプトにかなり近い形での市販化を予定しているという。
■今後の電動ラインアップ戦略
グローバルEVの「ホンダ0シリーズ」は、2026年に北米で市販化。2030年までに小型から中大型モデルまでグローバルで7モデルを投入する。
・2026年(SALOON、中型SUV、エントリーSUV)
・2027年(3列大型SUV)
・2028年(コンパクトSUV)
・2029年(スモールSUV)
・2030年(コンパクトセダン)
小型EVについては、2024年秋に日本で発売する軽商用EV「N-VAN e:」を皮切りに2025年には軽乗用EVモデル、2026年には操る楽しさを際立たせた小型EVなどを小型EVのニーズがある地域に投入。2025年度中にモバイルパワーパックを4個搭載する超小型モビリティを日本に投入するという。
ちなみに、ハイブリッド車についても、ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」とプラットフォームを刷新。e:HEVの軽量・高効率化、プラットフォームの効率化・共用化によって、燃費の改善と上質で爽快な走りを高次元で両立するという。
また、EVの技術をハイブリッドにも転用し、EVに搭載するモーターを活用した電動四駆を採用。機械式四駆と比較して。最大駆動力が向上するとともに、高応答・高精度な駆動力配分制御が可能に。モーションマネジメントシステムとの協調制御によって車両挙動を安定させながら運動性能を引き出し、安心と運転の楽しさを両立させるとのことである。ハイブリッドを含めたICE(内燃機関)事業の体質強化によって、着実に収益を確保。創出した原資はEV事業をはじめとする新事業に投入していくという。
一部地域では足元のEV 市場の成長について減速感を指摘する声もあるが、ホンダは電動化を着実に進めていくという。どんなEVのニューモデルが登場するのか、楽しみだ。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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