レクサスRC、RCF試乗。リアルスポーツの完成度は?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
ニューヨーク郊外から120kmほど走るとプライベートサーキットに着く。この間フリーウェイとワインディングを走ることができたが、V6エンジンに組み合わされるギアボックスの8速トルコンATは2速-8速まで完全にロックアップ(クラッチレスのMTシフトが可能)するので、レスポンスが非常にいい。マルチシリンダーと多段化したトルコンAT(DCT=デュアルクラッチではなく)の組み合わせこそ、黄金のコンビネーションだと思うのは私だけではないだろう。トルコンATの発進から高速走行までトルクフルでスムーズで神経を使わないで走れるイージーさがアメリカで受けている。いや、日本でもこの走り味はスポーツクーペにとって大切なはずだ。
乗り心地も良好で、快適なスポーツクーペの走りを楽しんだが、高速走行で気がついたのはステアリングが軽く手応えが薄いことだった。そのために直進性が“矢のごとく”というわけではなかったのが残念だ。試乗車には4輪操舵(LDH=レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)が備わっているにも関わらずだ。
一方、サーキットではRCのイメージはよりゴキゲンなものとなった。横Gが大きくスピードを高めるほどRCの走りは頼もしくなる。ステアリングの正確性が増しているので、ハンドリングは軽快で愉しい。4WSが装備されているためか、コーナーではアンダーステアが少ない。ダンパーはAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)を持っているので、走行状態によってダンパーが可変する。バージョンLでは快適性が増すが、限界付近のダイナミクスに大きな違いはない。
RCのパワーソースはガソリンV6/ハイブリッド、乗り味ではより豪華なバージョンL/スポーティなFスポーツをそれぞれ組み合わせることが可能だが、試乗したガソリンV6とFスポーツの組み合わせはもっともホットなRCであった。
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