レクサスRC、RCF試乗。リアルスポーツの完成度は?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
最強のRCは“リアル F”と言われる「RC F」だ。レクサスによればIS Fの後継モデルではなく、新たにレクサスのスポーツを牽引していくモデルだという。
ボディはRCをベースに開発され、幅で+5mm、車高は-10mm低くなっている。エアロの関係で全長は+10mm長いが、全体的には引き締まったスポーツクーペのフォルムをもっている。エクステリアではフロントマスクの両サイドにくさび形のスピンドルがあるので「ダブルスピンドル」となっている。
タイヤは19インチの前後異径サイズで最強のラジアルであるミシュラン PSS(パイロットスーパースポーツ、前:255/35ZR19/後275/35ZR19)を履き、サスペンションも強化されたものを組み合わせている。5L V8エンジンは477psにチューンアップされている。自然吸気のV8エンジンは絶滅危惧種となりつつあるので、RC FのV8は非常に貴重だ。しかも8速トルコンATはスムーズな上にダイレクト感も十分に高い。クロスレシオが採用されているので加速性能も鋭い。空力性能はLFAの技術を応用し、ダウンフォースを発生するリヤスポイラーは80km/hから機能する。
RC Fで一般道も走った。サスペンションは硬めだが、角が丸いショックなので不快な感じはない。しかも、ダンピングに優れているのでバネ上のボディは常にフラットライド感を実現している。
自然吸気のエンジンは気持ちがいい。パドルシフトを駆使するまでもなくDレンジだけでも十分なスポーツ走行が可能だ。後輪には標準装備でトルクセンシングディファレンシャルが入るが、オプションでTVD(トルクベクタリングディファレンシャル)も用意される。TVD装着車はリヤのトラクションがより安定するので、VDIMをオフにしてもリヤスライドは少ない。そのためにサーキットでは少しアンダーステアを感じてしまった。その半面、リヤにトルセンデフをLSDとして使うノーマルデフのほうが、オーバーステアに持ち込みやすい。セレクタースイッチで各種走行モードを選択できるし、TVDもノーマルとスポーツモードが選べる。
RC FはFIA GT3カテゴリーに参戦できるモデルも開発しており、文字通りレクサスのフラッグシップになっている。速さと気持ち良さ、さらに実用性を兼ね備えたスポーツクーペとして非常に魅力的に仕上がっていた!
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