新型V40に試乗! 四角くないボルボの完成形
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
個人的には、そんな動力性能以上に気に入っているのがV40のフットワークの良さだ。電動パワーステアリングは手応えこそ饒舌というほどではないが、切り込んでいくと、まさに意のままのレスポンスを示し、気持ち良くコーナーに飛び込んでいくことができる。ロールを無理に抑え込まない、しなやかな身のこなしは、あるいはS60/V60よりもナチュラルで心地良く感じる人、少なくないはずだ。
スタビリティを云々するようなハードな走りは試せていないが、マルチリンク式リアサスペンションの接地感はいかにも高く、安心して攻め込むことができる。まさに路面に吸い付くようなコーナリングを楽しめるのである。
V40のシャシーは、基本設計こそS40/V50に近いものの、高張力鋼板やアルミニウムの使用による軽量化など抜本的な改善が施されている。また、フロントダンパーのピストンロッドは上級のS60と同タイプとされ、リアにはモノチューブダンパーを奢るなど、ダイナミック性能に徹底してこだわっているのである。その効果は確かに体感できる。
但し、快適性についてはもう一歩と言っておこう。速度が上がってくるとサスペンションが路面によく追従しているのが伝わってくるし、姿勢もフラット。心地良いクルージングを楽しめるのだが、一方で低速域では路面によっては小刻みに揺さぶられ続ける感がある。周囲に聞いてみたところ、ガツンと突き上げるわけでもブワブワと落ち着かないわけでもないので問題無いという人も居る一方で、これがどうにも気になるという声も聞いた。個人的にも後者の意見に賛成で、もう少ししっとりとした感触が欲しい。好みもあるから、購入を考えている人は、後席も含めてこの辺り、じっくり確認した方が良さそうだ。
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