トヨタ ハイラックスにライバルはいない!? グレードは好みで選べばOK
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:トヨタ自動車 66
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:トヨタ自動車 66
トヨタ「ハイラックス」は、1968年から代々続いているトヨタのピックアップトラック。ピックアップトラックというのは、キャビン(車の居室)より後ろに開放式の荷台を備えた小型貨物自動車のこと。日本ではさほどメジャーではありませんが、北米などでは今も昔も人気が高いカテゴリーです。
そんなピックアップトラックであるハイラックスは、2004年に6代目の販売が終了して以来、日本国内では取り扱いがありませんでした。しかし2017年9月、8代目のハイラックスがついに日本でも販売されるようになったのです。
※2022年9月22日時点の情報
8代目ハイラックスのボディサイズは全長5335mm×全幅1855mm×全高1800mm。キャビンは2列シートの定員5人で、その後方に長さ1520mm×幅1535mm×高さ480mmの開放型荷台が設けられています。
「タフ&エモーショナル」がコンセプトだというエクステリアデザインは、迫力と躍動感が表現されていますが、インテリアはブラック基調のなかにシルバーの装飾やブルーのイルミネーションを配するなど、意外と洗練された空間になっています。
搭載されるエンジンは最高出力150ps/最大トルク400Nmとなる2.4L直4ディーゼルターボのみで、駆動方式は悪路に強いパートタイム4WD。走行環境に合わせて、ダイヤル操作にて2輪駆動または4輪駆動を選択します。トランスミッションは「6 Super ECT」という6速ATで、WLTCモード燃費は11.7km/Lです。
ハイラックスはワイルド系なピックアップトラックではあるものの、現代の車だけあって運転支援システムや安全装備も普通に充実しています。
2017年の導入当初は上級グレードである「Z」のみに「歩行者検知機能付き衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム」と、車線逸脱の回避を支援する「レーンディパーチャーアラート(50km/h以上で作動)」が搭載されていました。しかし2021年10月の一部改良で、ベーシックグレードである「X」においてもプリクラッシュセーフティシステムとレーンディパーチャーアラートが標準装備となり、2019年の一部改良でZグレードのみに装備追加されていた「レーダクルーズコントロール(30km/h以上で作動)」も全車標準装備となりました。
話は若干前後しますが、ハイラックスは2020年8月にマイナーチェンジを行い、フロントに大型グリルを採用。ヘッドランプと合わせて「ワイド感を強調する顔つき」に変更するとともに、上級グレードのZではBi-Beam LEDヘッドランプが標準装備になりました。
インテリアは、それまでは「Z」のみに採用されていたオプティトロンメーター(自発光式メーター)と4.2インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを、ベーシックな「X」にも設定。メーター自体もリングをメッキ化するなど、ややゴージャス寄りなデザインに変わっています。
走りに関する部分ではサスペンションの改良と、パワーステアリングのオイル流量を制御するVFC(バリアブルフローコントロール)機能の追加により、操縦安定性と乗り心地が向上。また上級グレードのZには、左右の駆動輪にトルクを適切に配分することでトラクション性を向上させる「オートLSD」が新たに採用されました。
こういったデバイスの効果もありますが、ハイラックスはそもそも、悪路に強いクロカン車やトラックが主に骨格として採用する「ラダーフレーム(はしご型フレーム)」を用いた車でありながら、その乗り心地は一般的な乗用車に近い、なかなか快適なものとなっています。
※2022年9月22日時点の情報
現在販売されているハイラックスのグレードラインナップと価格は下記のとおりです。
X|352万7000円
Z|388万2000円
Z“GR SPORT”|431万2000円
Xは要するにもっともベーシックなグレードで、上級の「Z」になると、主には下記のように各部がグレードアップします。
……このほかにもいろいろあるのですが、だらだら書き連ねるのもどうかと思いますので、「“快適なハイラックス”を求めるなら、おすすめは上級のZ」とまとめておきましょう。ただ、「ワイルドな道具としてのハイラックス」を求めるのであれば、ベーシックなXも悪くないはずです。
※2022年9月22日時点の情報
そして「Z“GR SPORT”」は、2021年10月に追加設定された新グレードです。
Z“GR SPORT”のエクステリアにおける特徴は、専用オーバーフェンダーを装着した全幅1900mmのワイドボディと、専用のフロントバンパー&グリル、ブラック塗装に切削光輝仕上げを施した18インチアルミホイールなど。インテリアでは、GRロゴを刺しゅうした専用合成皮革+スエード調スポーツシートや、スモークシルバー加飾を施した専用本革巻きステアリングホイール、シフトパドルなどが特徴となります。
またそのほか、フラットで快適な走りを実現する専用サスペンション(モノチューブショックアブソーバー)やスポーティなGRロゴ付きレッド塗装ブレーキキャリパー、安全に寄与する「パノラミックビューモニター」が標準装備となる点も、Z“GR SPORT”の魅力です。
ちょっとお高めのプライスにはなりますが、「スポーティなハイラックス」を求める人にはZ“GR SPORT”が絶対のおすすめとなるでしょう。
※2022年9月22日時点の情報
ハイラックスのライバルとなる車種は、海外市場においてはいろいろ存在します。が、日本ではハイラックスが唯一の「正規販売されているピックアップトラック」ですので、基本的には「ライバルは不在!」ということになります。
とはいえ並行輸入車や逆輸入車までを視野に入れると、アメリカ製のピックアップや、日産やいすゞ、あるいは当のトヨタが北米などで販売している各種のピックアップトラックも、ハイラックスのライバルということになるのでしょう。
※2022年9月22日時点の情報
それら並行輸入車や逆輸入車も素敵でカッコいい存在ではありますが、メンテナンスやアフターフォローの問題まで考えると、とてもではありませんが「誰にでもおすすめできる選択肢」とは言えません(※もちろん、その道のマニアが買う分には素晴らしいと思いますが)。
それゆえ、やっぱりハイラックスは基本的に「ライバル不在」なのです。
唯一無二のカッコいい車、そして「意外と乗り心地がいい車」でもあるハイラックスをご検討中の方は、そのまま真っすぐ突き進むべきでしょう。
<おわり>
※2022年9月22日時点の情報
トヨタ ハイラックス
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