新型Cクラス海外試乗。清水和夫が語る
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
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前段が長くなってしまった。さて、新型CクラスはSクラス譲りの快適性をどのように実現したのだろうか。
ボディの開発コンセプトはSLやSクラスと同じ「3D Body Engineering」だ。このコンセプトでは「軽量化・安全性・空力特性」という三つの要素を追求する。SLでは重量比で約90%にアルミが使われているが、新型Cクラスのアルミ比率は50%。従来ボディに比べて約70kg、車両全体では100kgの軽量化を実現している。
現在、メルセデスの中でもっとも空気抵抗係数が少ないモデルはCLAのCd=0.22であるが、新型CクラスはSクラスと同じCd=0.24を実現している(C220ブルーテック)。正統なセダンフォルムを持ちながらも、トップレベルの空力特性は素晴らしい。アンダーフロアやホイールハウスなどの空気の流れを工夫し、ボディのテールエンドで同じ速度で空気の流れが合流する、という最新の空力デザインが採用された。
そして注目のサスペンション形式だ。フロントがストラットから4リンクサスペンション(ダブルウィッシュボーン型マルチリンク)に変更されているから、乗り心地の向上に大きく貢献しているはずだが、試乗したモデルすべてがエア・サスペンションで、残念ながらメカニカル・サスペンションを試すことができず、その快適な乗り心地がエア・サスペンション効果なのか、あるいは新開発のマルチリンクなのか判断しにくい。素のサスペンションの素性が気になるところだ。
マルチリンクに変更した一つ目の理由は、グリップが高い高性能タイヤを履けるように横剛性を高めたかったからだ。ストラットでは横方向の剛性に限界があった。二つ目の理由はダンパーが斜めに取り付けられるストラットはどうしてもフリクションを減らすことが難しく、エア・サスペンションのしなやかさを活かすには低フリクションのサスペンション形式が必要であったのだ。こうして先進的なボディと空力とシャシー性能で新型Cクラスは走りに新機軸を打ち立てたのである。
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