新5シリーズ国内試乗 ハイテク満載の実力
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:菊池 貴之
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特に528iの燃費が驚異的だっただけに、そこにリポーターの興味が向いてしまった。でも、パワーは従来モデルの530iより控えめとなっても感覚的な速さは少しも損なわれていないことにも注目すべきだろう。8速ATは、低めのギアではサッとエンジン回転数が稼げる設定となっているだけに発進時の身のこなしはむしろ528iの方が軽快なほどだ。トルクが充実した回転域にも乗せやすいので、市街地では周囲の流れをリードするくらいの力強さがいつでも得られる。
しかも、アクセルを踏み続けるとDレンジのままでもレブリミットの7000rpmまで一気に吹き上がり、山岳路のコーナーを立ち上がるときなどはパワフルな加速と自然吸気式エンジンならではの抜けのいい、なおかつ澄んだ感じのクォーンという直列6気筒エンジンらしい排気音が楽しめる。
550iは、エンジンに高精度ダイレクトインジェクションと排気タービンへの導入路が2系統あるツインスクロール式(ツインパワー)ツインターボを組み合わせているだけに、低回転域から従来モデルのM5を越えるトルクが獲得できる。ただ、それをイキナリ炸裂させることはなく、巧みなスロットル制御による刺激的な盛り上がり感こそあるものの、持て余すほどではない。高回転域の伸びも鋭く、やや硬質感を伴うけれどV型8気筒らしい高密度な鼓動を響かせる。
さらに、550iはダンパーの減衰力とスタビライザーの強さを連続可変制御するアダプティブ・ドライブを標準装備しエンジンの実力をシッカリと受け止める。コーナリング中はボディのロールを最小限に抑え、それでいてサスペンションのコイルスプリングを固めているわけではないので足腰が突っ張ったような感じにはならない。そのため、コーナリング中に路面のうねりを通過してもボディがフラットな姿勢を保ち4輪の接地状態を最適化することも可能になる。
528iは、特別な制御を持たないサスペンションを採用(オプションでダンパーの減衰力を連続可変制御する機能は選択できる)するけれど、だからといってコーナリング中に大げさなロールを示すことはない。むしろ、サスペンションがスムーズに動き路面に対する追従性を高めている感覚がつかみやすくなる。また、5シリーズは全モデルがインテグレーテッド・アクティブ・ステアリングを装備する。中速域まではステアリングのギア比がクイックな状態に保たれ前輪に対して後輪を逆位相側に制御するので、タイトなコーナーが連続する場面でもボディの大きさを意識させない小気味よさが確かめられる。
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