新型5シリーズセダン、“効率化”の最新版!
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:BMWジャパン
猛禽類のような目つきの鋭さを感じさせる現行モデルとは異なり、最新モデルの5シリーズからは落ち着きが醸し出されていた。ポルトガルのリスボン近郊で開催された国際試乗会のプレゼンテーションでも、デザイナー自身が「ピッタリと体に合う背広を着ているような感じがするクルマ、パーフェクトなビジネスセダンです」と語っていたほどだ。ただし、ここでいうビジネスセダンとは日本で理解されている“働くクルマ”ではない。社会的な責任を担うエリートが颯爽と乗りこなすクルマといったニュアンスが窺えた。
つまり、落ち着きはあるが知的で行動的。最新モデルの5シリーズにはそんな雰囲気が漂う。それだけに、ボディサイズは現行モデルよりもひと回り大きくなっているが重厚すぎたりはせず、欧州基準の昼間点灯機能を満たすスモールライトをオンにすると円を描く4灯のコロナリングが真っ白な輝きを放ち顔つきの精悍さが際立っていた。
見た目には大柄でも重量の増加は最小限に抑えられ、インテリジェント・ライトウエイト構造を採用し、ボンネット、フロントフェンダー、ドアなどはアルミニウム製となる。特に、ドアはそれだけでも23kgの軽量化を実現。ちなみに、現行モデルはボディ前部をアルミニウム製、Aピラーより後部をスチール製とするハイブリッド構造を採用していた。最新モデルは、ボディ前部を含め骨格はスチール製(一部アルミニウム製)となる。その効果は、振動の伝わり方と乗り心地に現れていたので後で詳しく紹介しよう。
こうした軽量化に対する取り組みは、「Efficient Dynamics」と呼ぶ近年の開発コンセプトの根幹となっている。さらに、より少ないエネルギーで、より高い性能の獲得を目指す高効率な開発コンセプトを拡大するために、新開発の8速AT、減速時だけ発電をするブレーキ・エネルギー回生システム、BMWのセダンでは初の電動パワーステアリングなどを採用していることにも注目したい。
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