新5シリーズ国内試乗 ハイテク満載の実力
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:菊池 貴之
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さて、ボディの大きさという点では従来モデルよりもサイズが拡大しているだけに日常での取り回しが気になるところだ。でも、最小回転半径を比べると最新モデルの方が0.2m小さい5.5mとなる。インテグレーテッド・アクティブ・ステアリングの逆位相制御が働くからだ。ちなみに、約3km/h以下では据え切りのようになるためシステムやタイヤへの負荷を避けるためにこの制御は働かず後輪は直進状態に戻ってしまう。たとえば、ステアリングをフルロック状態にしたまま対象物のギリギリを通過するような場面では3km/h以下になることはありそうだ。
でも、通常の車庫入れなら3km/hを越えることも多いだけに5シリーズの小回り性の高さに満足する場面の方が多いはずだ。3km/h以下でも、リアビューカメラやビジュアル機能つきの対応物距離センサーを標準装備するので取り回しには不自由はしない。それでいて、かつての日本車にあった4WSのように後輪が操舵される(実際に目で見ても分かる)ことによる違和感はない。
最後に、まとめとして高級サルーンとしての乗り味について触れておきたい。550iは、アダプティブ・ドライブを標準装備し、エンジンやパワートレイン系などとともに走行モードを統合制御が可能なドライビング・ダイナミクス・コントロールも備えている。それをコンフォートに設定すると、日本の高級サルーンカーのような乗り心地になる。
ただ、このモードは付加価値的であり高速域で路面のうねりを通過するとボディの動きの収まりに遅れを感じることもある。それだけに、BMWファンのなかには“らしくない”と評価する人がいるかもしれない。でも、走行モードをノーマルに切り替えればBMWらしい引き締まった乗り味が速域の上昇とともに確かめられるようになる。528iのダンパーに可変制御機能はないけれど、ちょうど550iのノーマルに近い設定となっている。ボディのムダな動きを抑えた設定は、BMWの乗り味として誰もが納得するに違いない。
最新モデルの5シリーズは優れた燃費を実現しつつスポーティさも備え、まさに開発理念として掲げるBMW EfficientDynamicsを具現化している。いずれにしても、車名にプライドを持てるようなモデルであることは間違いにない事実だ。
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