スバル雪上試乗会でインプレッサの完成度や次期WRX STIの走りをチェック
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:SUBARU
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:SUBARU
続いてWRX STI。現在、スバルは大まかに言うと4種類のAWDシステムを使い分ける。WRX STIに採用されるDCCDは、ドライバー・コントロール・センター・デフというその名の通り、ドライバーが手元で好きにセンターデフのロック率を調整できるシステムだ。センターデフをロックさせれば、クルマを前へ進めるトラクション性能が向上する代わりに、クルマは曲がりにくくなる。反対にデフをオープンにすれば、前後輪の回転差を吸収できるためにクルマは曲がりやすくなる。反面、トラクション性能は落ちる。だからDCCDによって直線ではセンターデフをロックさせ、コーナーでオープンにすることができれば、トラクション性能もコーナリング性能もよいクルマができあがるというわけだ。
DCCDはスバルのWRCでの活躍を支えた技術のひとつで、WRC撤退後の現在も象徴的にWRX STIのみに採用される(MT専用装備というのもある)。現在のDCCDには走行状況に応じてロック率を常に最適化するオートモードが備わるので、ドライバーは運転に集中できる。試乗会には現行モデルに加え、すでに新年のデトロイトショーで発表され、発売が待たれる次期モデルの足まわりとDCCDが組み込まれた開発用車両(見た目は現行モデル)も用意され、乗り比べることができた。
超ハイペースの限界領域じゃないと真の違いは見えてこないのだろうが、それなりにハイペースで両車を走らせたところ、次期モデルのほうがステアリング切りはじめの鼻先の入りがスムーズという印象を得た。DCCDオートモードでのロック率が最適なタイミングで、よりスムーズに変化しているのではないだろうか。
WRX STIは世界的に見ても動力性能の高いスポーツカーだが、ラリーカー由来のモデルだけに路面のミューが低ければ低いほどライバルに対し優位に立つ。しかもDCCDをオートにして、VDCをトラクションモードにすれば、ドライバーの技量に応じて速く走らせることができる懐の深いハイパフォーマンスカーだ。379万800円~はその価値を引き出せる人にはバーゲンプライスだろう。
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