ホンダらしさ満載! ちょっと変わった軽バン「N-VAN」の推しグレードはこれだ!
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:ホンダ技研工業 62
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ホンダ「N-VAN」は、ホンダの軽自動車「Nシリーズ」初の商用車として2018年7月に発売された軽商用バン。ただし軽商用バンといっても、いわゆる「はたらく人々」だけでなくキャンパーや釣り人、車中泊愛好家などの趣味人にも愛用されている一台です。
「働く人々の生活を見つめ、さまざまな仕事での使いやすさや優れた走行性能、安全性能を追求し、軽バンの新基準となることを目指して開発した」というN-VANは、スタイルこそ大人気軽乗用車「N-BOX」によく似ていますが、よく見ると各部はN-BOXよりもずいぶんシンプルで、なおかつ積載性に優れた形状となっていることがわかります。
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デビュー当初はハイルーフ仕様と標準ルーフ仕様が用意されていましたが、現在はハイルーフ仕様に一本化されており、ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1945mmです(※4WD車の全高は1960mm)。
デザインは大きく分けて2種類。「G」と「L」は軽商用バンらしいオーソドックスなデザインですが、「+STYLE FUN」および「+STYLE FUN・ターボ」は丸目のフルLEDヘッドライトを中心に愛嬌のある顔立ちを採用しています。
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プラットフォームは現行型N-BOXから採用された新世代タイプを商用車向けに改良したもの。助手席側は荷物などの出し入れがしやすいセンターピラーレス構造になっていますが、全体としては軽量かつ高剛性なボディが実現されています。
乗車定員はいちおう4名ですが、サポート性が高い新設計のシートが付いているのは運転席のみ。その他の座席は、快適性をあえて犠牲にすることで完全フルフラットにできるダイブダウン機能付きのシンプルなシートです。
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しかしそのように運転席以外を割り切ったことで、N-VANは広大なカーゴスペースを獲得することになりました。運転席以外のすべてのシートを格納すれば段ボール箱が71個、ビールケースであれば40個という、前身にあたる「アクティ バン」以上の収容力が炸裂します。また、助手席も格納してしまえば最長2635mmの長尺物も積載可能です。
そして前述した「助手席側はセンターピラーレスである=その開口部はテールゲート以上に広い」ということもあって、N-VANは軽商用バンとしてプロフェッショナル各位に使われるのみならず、キャンパーや釣り人などの趣味人各位にも愛用されているのです。
ちなみに左右の壁面とテールゲートの内側には計28個のユーティリーティナットが装備されています。そのキャップを外すとM6サイズのネジが装着できますので、そこにパイプや棚などを自由に取り付けることも可能です。
パワーユニットは最高出力53psの直3自然吸気がメインですが、「+STYLE FUN・ターボ」には同64psの直3ターボエンジンが搭載されます。トランスミッションは金属ベルトを強化して商用車向けとしたCVTのほか、+STYLE FUN・ターボ以外のグレードでは軽バン初の6MTも選択可能。駆動方式は全グレードにFFと4WDが設定されています。
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N-VANは軽商用車というカテゴリーに入る車ですが(全車4ナンバーの軽貨物車登録になります)、先進安全装備も普通に充実しています。
「Honda SENSING」は全車標準装備で、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの基本的なものだけでなく、アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援システム、歩行者事故低減ステアリング、オートハイビームなども、軽商用バンでありながら全グレード標準装備なのです(※アダプティブクルーズコントロールは6MT車には設定なし)。
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現在販売されているN-VANのグレードと価格は下記のとおりです。
G(2WD)/127万6000円
G(4WD)/138万7100円
L(2WD)/140万5800円
L(4WD)/151万6900円
+STYLE FUN(2WD)/162万9100円
+STYLE FUN(4WD)/176万2200円
+STYLE FUN・ターボ(2WD)/173万9100円
+STYLE FUN・ターボ(4WD)/187万2200円
「+STYLE FUN・ターボ」以外には前述のとおりCVTと6MTの2種類がありますが、トランスミッションによる価格の違いはありません。
そしてこれまた前述のとおり「G」と「L」は商用車然としたシンプルなフロントマスクを採用するグレードで、両者の違いは要するに装備の差です。
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ベーシックな「G」に対し、「L」ではボディ同色の電動格納式リモコンドアミラーやフロントシートアームレスト、ナビ装着用スペシャルパッケージ(バックカメラ、ステアリングスイッチなど)、充電用USBジャック(急速充電対応タイプ2個付き)等々が追加されます。「はたらく車」として使うなら、この「L」が適任でしょう。
「+STYLE FUN」と「+STYLE FUN・ターボ」は丸目のLEDヘッドライトやツートーンカラーのホイールキャップなどからなるカジュアルなスタイリングが特徴で、インテリアも「G」「L」より洗練されています。
またUSBオーディオ・AUXジャックやHondaスマートキーシステム、IRカット(遮熱)/UVカット機能付きフロントウィンドウガラスなども標準装備で、選べるボディカラーも豊富であるため、仕事ではなくプライベートでN-VANを使いたい人には「+STYLE FUN」または「+STYLE FUN・ターボ」が向いています。
そのうえでノンターボ(+STYLE FUN)を選ぶか、はたまたターボ付き(+STYLE FUN・ターボ)にするかは難しい問題ですが、キャンプや釣り、車中泊などのために高速道路を使う機会が多い人には「+STYLE FUN・ターボ」がハマるでしょう。WLTCモード燃費も2WDのCVT同士で比べた場合、ノンターボが19.8km/Lでターボ付きが18.8km/Lですので、大差はありません。
N-VANのライバルとなるのはスズキ「エブリイ」という軽商用バンと、その乗用車版である「エブリイ ワゴン」、そしてダイハツ「アトレー」または「ハイゼットカーゴ」です。アトレーとハイゼットカーゴはともに軽貨物車登録の4ナンバー車ですが、アトレーはN-VANの+STYLE FUN系と同じく「個人ユース」を強く念頭に置いた作りになっています。
これら4モデルはすべて、エンジンを運転席の前方に置いているN-VANと違い、エンジンを運転席の床下付近に配置しています。そういった設計ですと、エンジンを車体の前方に配置するためのスペースを車室にあてることができるため、その分だけ車室を長くすることができます。
スズキ エブリイワゴン
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ダイハツ アトレー
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それゆえ、2名乗車時の室内長はアトレーが1820mmで、エブリイ も1820mm(※JOIN・PCの場合)であるのに対し、N-VANは1510mmと、どうしても見劣りすることになります。
そのため、「車はとにかく積載量が命!」「車中泊もひんぱんに行う!」というタイプの方はN-VANではなく、スズキかダイハツのいずれかの軽バンを選んだほうが、おそらくは満足いく結果となるでしょう。
しかしながらこの種の車を使う人というのは、なにも全員が「積載量命!」で「車中泊マニア!」というわけでもないはずです。
2名乗車時の室内長1510mmであるN-VANぐらいの積載量でも十分な場合は多々ありますし、助手席を倒してしまえば室内長は2635mmになりますので、「ソロキャンプのお供」にするならば何の問題もありません。
また乗り心地や操縦性も、エンジンを運転席の下に置く「キャブオーバー式」というレイアウトを採用しているライバルたちよりも、一般的なFF乗用車がベースとなっているN-VANのほうが明らかに有利です。
このあたりは、それぞれの車の優劣というよりも「自分はどんな使い方をしたいか?」によって向き不向きが変わってくる問題でしょう。
「軽バン界最強レベルの積載能力」を重視したい人にはキャブオーバー式のライバルのほうが向いていますが、そうでもないのであれば、スタイリッシュで荷物がたくさん積めて、走りにも上質感があるN-VANの+STYLE FUNまたは+STYLE FUN・ターボは素晴らしい選択肢となります。
ご検討中の方はそのまま突き進んで構わないはず。ぜひとも「いい色」を選んでください!
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