ルノーとホンダのFF最速の行方は? ルノー メガーヌR.S.トロフィー試乗
掲載 更新 carview! 写真:市 健治 58
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快晴の2月某日、毎年恒例のJAIA(日本自動車輸入組合)主催の輸入車試乗会が神奈川県の大磯プリンスホテルで開催されました。短時間ではありますが、carview!編集が試乗してきた、輸入車ブランドのさまざまな試乗車の中から、注目モデルのショートインプレッションをお送りします。
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2017年11月、現行型のルノー「メガーヌ」が発売され、4輪操舵システム(4コントロール)のハンドリングが話題になりました。2018年8月にはスポーツグレードである「メガーヌ ルノー・スポール(R.S.)」を発売。さらにそのハイパフォーマンスモデル「メガーヌ R.S. トロフィー R」(世界限定500台、うち日本への割り当ては51台)は、2019年4月5日、ニュルブルクリンク北コースで量産FF車最速となる7分40秒100を記録しました。今回はその限定モデルR.S. トロフィー Rの量産型ともいえるルノー「メガーヌ R.S. トロフィー」に編集が試乗しましたのでレポートします。
R.S.トロフィーはR.S.グレードからエンジン、排気デバイス、足回り、デファレンシャルギアなどが専用にチューニングされ、サーキットでのパフォーマンスが追求されています。パワーアップされたエンジンは、バルブデバイスを装備したエキゾーストシステムなどにより+21psの300psを発生。サスペンションのスプリングレートはフロントで23%、リア35%、アンチロールバーは7%ほどハードな設定となっており、トルクベクタリングタイプの電子制御LSDは、サーキット走行時の高負荷なコーナリングを想定してトルセンLSDに変更されています。
短い距離ですがクローズドコースで全開走行したところ、ターボラグはあるもののブーストがかかれば420Nmのトルクと300psのパワーで、トルセンLSDがステア方向にボディを引っ張り、トルクステアもほぼ顔を出さず受け止めるシャシーとのバランスによって、FF最速の片鱗を感じることができました。
4輪操舵システム(4コントロール)は、60km/h未満(レースモードでは100km/h未満)で後輪が前輪と逆位相にステアします。初めは違和感を感じますが、慣れるとクイックに向きが変わるハンドリングは楽しく感じました。R.S. トロフィー Rでは軽量化のため外されたとのことですので、サーキットでのパフォーマンスより公道でのドライビングプレジャーや安定感向上のためのデバイスといったところでしょうか。
4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール(HCC)と呼ばれるダンパーは、コーナーでのタイヤのグリップ限界付近やアンジュレーションの強い路面を通過する際など、大きな入力やリバウンド時の振動も抑制する第2のダンパー(セカンダリーダンパー)を内蔵した凝った構造になっています。R.S.トロフィーのハードな仕様のサスペンションも、快適とまでは言えないまでも路面の凹凸の入力に対して入力する振動の角が丸められていて、サーキットのみならず街乗りから遠出まで十分使える1台というイメージを受けました。
2017年4月にホンダが「シビック タイプR」で記録したドイツニュルブルクリンク北コースでの7分43秒80と、2019年4月にルノーがメガーヌ R.S. トロフィー Rで記録した7分40秒100の間の2年間で、ニュルブルクリンク北コースが改修されていますので、現在残っている記録は、異なるコース条件でのタイムとなっているようです。ホンダは2020年8月にシビックタイプRの進化版の発売を予定しています。サーキットでのラップタイムがクルマの全てではないと思いますが、ライバルとして切磋琢磨していってほしいと願うファンも多いのではないでしょうか。
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