X6試乗、ハイテクの塊!高速ではリッター10kmも
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:萩原 秀輝/写真:中野 英幸
こうした市場動向を予測していたかのような数々の取り組みは、実はBMWの開発コンセプトであるエフィシェント・ダイナミクスを具現化した結果でもある。効率的に高性能化を実現するというコンセプトが効果をもたらしていることは、今回の試乗でも確かめることができた。xDrive 35iを高速道路の流れに合わせて走らせると、燃費が10.0km/L台を下回ることがない。軽量化されているとはいえ、車重が2250kgに達するX6の燃費としては大いに評価できる。
同じエンジンを積む135iクーペや335iクーペなら、車重が軽いため高速道路の流れに合わせるだけであればターボチャージャーの過給効果に頼ることなく走り続けることができる。だが、X6になるとそうもいかずわずかな速度調整でも過給効果を発揮しながら力強さを立ち上げている感覚が伝わってくる。それでも燃費が大幅に損なわれないのは、高精度ダイレクト・インジェクションの威力により最適化された燃焼制御が実現できているからだ。
燃費はさておき…、といった場面ならX6は高性能エンジンがもたらすダイナミックな走りを楽しませてくれる。xDrive 35iのエンジンは、アクセルを操作に対して素早い応答性を示す。低回転域から過給効果は発揮されているが、応答性においてはターボチャージャーの存在を意識しない。しかも、ほぼ全回転域で十分なトルクを保つのでエンジン回転数の上昇に対して一直線にパワーが立ち上がる。
そして、高回転域ではエンジンが快音を響かせながらレブリミットの7000rpmまで一気に吹き上がる。この、胸の空くようなエンジン特性を6速ATをマニュアル操作することにより思いのままに引き出すことができる。フェザータッチで扱える電子式セレクターをDレンジから左に倒し、ステアリングの裏側にあるパドルを指先で叩けば瞬時にシフトアップ/ダウンが可能だ。パドルに指先が触れてからシフトが完了するまでの時間は一般的なATの半分であり、電気的な反応時間は0.1秒を誇るだけのことはある。しかも、シフトダウンの際にはエンジンが自動的に回転合わせをするので歯切れのいい排気音を発する。そうした刺激に誘われて、より積極的な走りに挑みたくなるあたりはBMWに共通する特徴だ。
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