【もう高い車はいらない】「ランドクルーザーFJ」の価格はどうなる？ メカニズムから読み解くエントリーモデルの位置づけ

トヨタ ランドクルーザーFJ

エントリー価格実現に向けたコスト構造とは

日本でラダーフレームというと、「ランドクルーザー250／300」が採用するTNGA-Fプラットフォームを想像しがちですが、FJは違う方向性を取り、タイを中心に展開するIMVシリーズのプラットフォームを採用しています。

IMVシリーズはコストや架装性など、新興国をメインとする幅広い市場への対応を前提としたプロジェクトで、総合的な経済性が重視されています。この仕組みをベースにするランドクルーザーFJは、価格面での競争力も期待できます。

パワートレーンは、長年ランドクルーザーや「ハイエース」で使われてきた2.7Lガソリンエンジンを搭載します。

耐久性に定評がありますが、日常的なトルク感や静粛性では最新ユニットと比べて優位性があるとは言えず、今後ディーゼルやターボの追加が望まれる場面もあるかもしれません。

とはいえ信頼性の高くシンプルなガソリンユニットやパートタイム4WDを採用することは、価格設定においてプラスに働く可能性があります。

さらに、ランドクルーザーFJの企画背景として「多くの人に届けられるランドクルーザーを」という意図が語られており、価格設定にもその方向性が影響すると見られます。

生産拠点がタイであることも、供給面での安定を期待できる要素です。ランドクルーザーシリーズに多い長期納車待ちが発生しにくい可能性があり、結果として多くのユーザーの手に届きやすくなるはずです。

総じて、プラットフォームやパワートレーン、開発背景を踏まえると、ランドクルーザーFJは“多くの人が選べるランクル”として価格にも配慮されたモデルになるでしょう。

（終わり）

（写真：トヨタ）